脚本の技術

第一ターニングポイントは早い方が良い?

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どこに出すか全く決めていない作品を、全力で書いている。

だから締切なんてない。

でもひたすら書いている。

書くしかない。

ここで書き上げないとダメになってしまう気がするから。

腐ってしまうから。

自分で自分が許せないから。

 

この作品は恐らくヤンシナに出すでしょう。十中八九、多分、Probably。

 


 

最近はかなり難航していて。

というのも、城戸賞への応募を断念して以来、自信が全く持てなくなってですね。

 

よっしゃ、最高に良いものが書けたッ!

 

と、満足いく作品の執筆に力を注いでいるんです。

賞はもちろん欲しいけどね。まずは自分が納得のいく作品を書き上げたい。

不器用だろうと遠回りだろうと、これが僕のスタイル。

「結果」のために書いているわけじゃない。結果は後から付いてくるもの。

認められるってそういうこと。(厨二感)

なので直近にあるテレ朝はアイデアを思いついてはいるけれど、今はこの作品を仕上げることを最優先としています。

最悪テレ朝は断念しても構わない。

納得のいく作品を書き上げることが、何よりも重要なのである。

 

そんな感じなので、城戸賞で書いていた作品のプロットを一から練り直して、

「今度こそいける!」と、いよいよ執筆開始。

 

ファーストシーン超面白いんじゃねこれ!

 

と順調な滑り出し。

 

ただ、

第一ターニングポイントが遅い

 

この突っ掛かりがどうしても気になって、筆が止まってしまった。

ここで言うターニングポイントは、「物語を軌道に乗せる」ということ。

貧困小卒主人公が東京大学に合格するラストなら、勉強を始める。

イジメられている女の子を好きになってしまった男の子のラブストーリーを描くなら男の子が女の子に話しかけてみる。

異色コンビを組ませてワチャワチャさせたいなら、まずは2人を出会わせる。

といった感じ。

このターニングポイントが超遅い。

ヤンシナ想定の1時間尺で考えて全部で55枚くらいと考えると5~6ページ以内には第一ターニングポイントを迎えたい気がする。

それくらいが感覚的に一番面白いでしょ。

で、今書いている現状だと、13ページ目から第一ターニング……。

 

遅い。

 

遅すぎる。

でも、今の形でも「面白い」と思ってる。

以前までの僕なら「面白ければヨシ!」とそのまま書き進めていたけれど、

今の僕にはこの前半の重ささえも気になってしまう。

納得がいかない。

冷静に考えてみれば短い作品で50ページのヤンシナ。その内13ページで第一ダーニングポイント突入。

冒頭に尺を使いすぎじゃね……。

そう思ってしまう自分がいる時点で駄作なのである。

 

でも背景とか状況とかの説明はどうしても入れたい。

バックボーンとかさ、説明しておかないとプロット上ラストが繋がらなかったりする場合もあるじゃん?

むしろそこが大事って言うか、説明の先に感動やオチといった展開が生まれるプロットが今作なわけで……。

うーむ。

この問題に直面する時点で下手糞な気がする。

バックボーンを説明しなければならない時点で序盤の重さを避けることは出来ない。

張り手型と言われる「序盤にパンチの効いたシーンを入れて後からなぜそうなったか」を説明するスタイルも考えたけど、

構成上、どうしても視聴者の視点が「なぜそうなったか」を軸とした謎解きメインになってしまいがち。

今回はそういう話じゃないからこれもちょっと違うな、と。

そもそもの組み立て方が下手な気がするんだよな。

 

よく言われているのは、

冒頭で物語が始まっていることが理想。

 

仮に新婚夫婦の生活の話を描くなら、

冒頭は結婚式や馴れ初めを描くのではなく、既に新居に住んでいる状態から始めた方が良い。

「既に始まっている」夫婦生活を描く。

冒頭を描く際に意識するのは「作品全体の視点」。

これはプロットの終盤を考慮して考えてみる。

オチ、つまり起承転結の「転」をどうするのか。

それを受けて、主人公は「結」で何をどう学んだのか。

 

最近ホットな不倫ものでこの例を考えるなら、

「新婚夫婦の旦那が十股の末に殺されかけ、最後は嫁が運命の女性であったと悟る」

こんなぶっ飛んだシナリオがあったとして。

テーマを要約すると、

クズ旦那の強制矯正

だよね。

この話の転は「不倫の末、殺されかける」シーンだから、冒頭では十股の不倫シーンは必ず入れる。

これならインパクトがあるし、強い。

で、結では嫁が最高の女性であったと悟るわけだから、あえてその逆「倦怠期の夫婦生活」を描くと良いかもしれないね。

これを冒頭5ページ以内に盛り込めれば最高ね。

夫婦生活では死んだ魚の目をした主人公が、不倫中は水を得た魚のよう。

嫁のいるはずの主人公が嫁との生活ではなく、十股不倫中に最大の幸せを感じているという状況を冒頭で説明することが大事。

その明暗が冒頭にメリハリをつけてくれる。

第1ターニングポイントまでは、これだけで十分。

ここで念押しで先ほどの「作品全体の視点」を考える。

これを考えないと素っ頓狂な僕の書く冒頭に仕上がる可能性がある。

落とし所は「嫁ラブ」になるわけだから、この不倫相手は「モブ」で良い。

不倫相手のことを書きたくなるけどね。

書ける要素いっぱいあるし。

でも、そこをグッと抑える。

ラストシーンの落とし所は「主人公が運命の女性は嫁であったと悟る」だからヒロインは、あくまで嫁なんです。

話上は冷めている関係だけど、この作品のヒロインは間違いなく嫁。

そこを意識してシェイプアップしていけば良い。

適当に考えた設定だからちゃっちい話だな、と言うのは突っ込まないでください。

 

「嫁との結婚式」や「不倫を始めたシーン」はまずいらない。

でも中盤になら結婚シーンを主人公が思い出す場面を入れても良いかもしれない。

そこでキーアイテムを登場させて、そのキーアイテムから結婚当時の自分を思い出して……なんてのも展開としてはなかなかにドラマチック。

「不倫を始めたシーン」に関しては、今作が「クズ旦那と嫁の倦怠期ラブストーリー」だから不倫はいずれ過ぎ去る嵐。

どこまで行っても不倫はこの話では「事件」に過ぎないわけで、「本質」ではない。

だから「不倫を始めたシーン」を掘り下げる必要は全くなく、終始いらないことになる。

全体のカラーとして「不倫」にフォーカスを当てたいのなら、「不倫を始めたシーン」を中盤にしっかりと書いても良いけれど。

そこをしっかりと冒頭から意識して描く必要がある。

 

難しいぞーコレ!

 

頭では分かっていても難しい。

プロットを練りすぎてつい冒頭に書きすぎてしまうのが悪い癖である。

状況や背景の説明をガッツリとしたくなる。

この話で言うと、

「嫁となぜ倦怠期になってしまったのか」

とか

「なぜ十股不倫に主人公は手を染めてしまったのか」

とか書けることがいっぱいあるじゃん。

そこをしっかりと書き上げたくなる。

でも書いたらいけない。

「冒頭はラストに繋がるもの」を書く。

こんなことを今更意識して書かなければまともに書けんとは……。

 

ああああああ

 

最近叫んでばっかりだな。

「あ」の羅列ばかりを見せられているブログの読者には心の底から申し訳ないと思っている。

本当にごめんなさい。

 

ああああああ

 

 

もうさ、ほんっとうにムカついてるのよ。何でこんなに書けないんだよって心底思う。

「アイデアを捨てる勇気」なんてよく偉い人が言ってるけど、言葉以上の重みを感じたね。

正確には

「アイデアには書ける内容と書けない内容がある」。

外した内容を書けば書くほど薄くなる。薄いカルピスほど美味しくないものはない。

プロットという「道」に沿って書く以上、取捨選択は免れることは出来ない。

シナリオ書きなら誰もが通る道。

しかも1時間尺では内容の密度にモロの差が出る。

意識しなきゃふわふわした作品絶対書いちゃう。

それこそ「俺は書けるぜーっ!」って人ほどアイデア積み込みまくって書いてしまいそう。(自戒)

 

今までだって本気で書いていたつもりなんだけどな。

どこか自分に甘えていた。

ファーストシーンの書き方一つさえままならない現状よ。

悔しすぎるね。

 

自分で今日綴った内容を意識してまた書き直してみます。

 

あああああああ!!(本日3回目)

 


 

参考までに過去の受賞作品の第一ターニングポイントを見てみる。

ふむ。

大体10ページ前後。

大賞作品で僕みたく13ページ目でちょうどターニングポイントを迎える作品もある。

うぅむ。

 

考えすぎなのだろうか

 

賞を取る分には第一ターニングポイントは10ページ前後で良いのかもしれない。

13ページも自分が思っているほど遅くはないのかもしれない。

 

そうか……。ふむ。

 

 

これで良いのだろうか。

 

 

受賞作品の冒頭が面白いかと言えば、決してそうではない。

魅力的なセリフなんかはあったりするけれど、ほとんどの作品の冒頭は退屈だ。(個人的な感想)

50ページ中10ページが退屈。

受賞作品でさえ退屈なのだから、冒頭は書ける人であろうとそういうものなのかもしれない。

 

……。

 

 

今作の第一ターニングポイントは遅いけど、「冒頭は面白い」。

そう今の作品を自画自賛している現状だけど、きっと他者が見たら「面白くない」んだろうな。

受賞作品を読んでみて冷静になる。

自作への客観的評価は下せないけれど、そういう見方なら出来る。

 

第一ターニングポイントまではどれだけ書けても面白くない。

 

そう認識した方が良い。

やっぱり書き直そう。第一ターニングポイントを早める。

10ページ以内。出来れば5ページ以内。

出来るかな。

可否は分からないけれど、今回は納得の行く仕上がりでいく。

自分に絶対負けない。甘えない。

 


 

最近、シナリオを書くモチベーションが変わってきた。

 

読んでもらって感想をもらうこと

 

これが今は一番。

だって今作、いずれコンクールに出すとは思うけど、コンクールのために書いてないもん。

読んでもらうために書いてる。

超良い作品を書いて、感想をもらって、アイデアを交錯させたい。

だから書く。

そのためだけに書いている。

 

なんだろうね。

誰でも良いから自分の話を聞いてもらいたい。

そんな話好きのかまちょなメンヘラ女子みたいな感じ?

脚本家志望って寂しがりやが多いんじゃないかな。と言うか全員?笑。

「プロ脚本家」っていう自己顕示欲で書いている人も中にはいるかもしれないけれど、ほとんどの人は違う。

「自分の作品を誰かに読んでもらいたい」

「視聴者に自分の作品を見てもらいたい」

そんな人がほとんどなんじゃなかろうか。

これってメンヘラ女子と根本は一緒な気がするんだよね。

作品を他者に読んでもらったり、認められることでどこか安心するんだよ。

 

僕が問題なのは、コンクールの応募を目指している時よりも俄然今がやる気に満ち溢れているということ。

コンクール、レスポンスがないからさ。(1次落ち)

それってやっぱり寂しいじゃん?

……。

生粋のかまちょメンヘラ作家だわ僕。

 

ブログの更新頻度が遅くてごめんね。

書き終えたらまた元に戻るから……!

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