さてさて、本日はもう一本記事を更新します!
片方はリアルな思い出記事(シナリオオフ会)だったんでこっちは今が旬の「テレ朝新人シナリオ大賞」の話!
オフ会で聞いたんですけど、テーマは「初恋」を書く人が圧倒的に多かったですね。
やっぱり書きやすさこそが正義。
ただ「最後の恋」や「初恋&最後の恋」という少数派も、応募総数が少ないと思われるんで、設定がまず被らない。だから斬新な切り口とか良い意味で目立ったりして大賞いっちゃう気もするんですよね。
いや、でも応募数が圧倒的多いであろう「初恋」の中でも一際よく書けてる作品を模範として大賞に選ぶって考え方も……。
いや、それかもしくはー……。
と言い続けていても埒が明かないので、自分が一番いけそうで面白いって思ったものを書く。
結局これですよ。テーマ選びで戦略云々言っているのは時間の無駄です。
大賞を取ったもん勝ちの世界です。
大賞を取った人が持論を展開すれば良いのDA。
後出しジャンケンじゃないけどね。
テーマ選定に関してはそんなもんですよ多分。面白ければ正義。ジャスティス面白さ。
ちなみに僕は結果が出た後で有る事無い事ドヤ顔で語るクチです。
まぁそんな感じでサクッとテーマを「初恋」に絞って、
スパゲッティのような設定をプロットに起こして全体を眺める日々を最近は送っています。
ですがね、僕の初恋のプロット、
起承転結の「承」が薄い。それも凄まじく。
問題発生ですよ。エマージェンシーです。
おいおい、シナリオのほとんどは起承転結の「承」で出来ているんじゃないのか?
あらすじは「起」「転」「結」をスラスラっと書けばまとまる(オフ会で聞いたコツ)のに「承」が一番多いってどういうことだってばよ。
シナリオ七不思議の一つですね、これは。
そう、理由はわからないけどシナリオの殆どは「承」がメイン。
その承が……僕の承ちゃんが……
か、書けない……。
あれ?今まで「承」どうやって書いていたっけ?何を書いていたっけ?
そんなレベルなんです。悲しいかな全く浮かんでこない。
そして気づく。いや、思い出す。
そうか、今までは、
伏線とか書いていたなぁ。
と。
「承」では伏線を書いていたんですよね。今まで。
起で説明して承で積み重ねていって転で爆発させる。それを結で〆る。
こういうシナリオを今まで書いてきたんですよ。
この形が「初恋」と絶望的に合わない!だから困る!書けない!
シチュエーションドラマとか構成重視のドラマとか、そういうのばかりを書いてきたツケですね。
で、今回はテーマが「初恋」だから承で積み重ねて転で爆発が出来ない。
そういうわけですよ。
バカ言っちゃあいけない。
「初恋」でも爆発できるんです。ちょっと工夫をすればね。
そう、ここで求められるもの、
それは、
葛藤&感情
これです。間違いなくこれ。他にあるなら教えてください。(懇願)
恋愛ものは「承」にヒューマンを書くんですよ。
承で葛藤や感情を積み重ねて積み重ねて、転で爆発する。
ハイ、いつも通り!
簡単でしょ?
ウソです。これがすっごく難しいんです。
僕が自分なりに今までのコンクール、自分の何が駄目だったかを分析してみたんです。
で、いきついた答えがこの、
葛藤&感情
でした。
僕の今まで書いた作品はこれがあまりテーマとして根強くない。
でも、これが書けないとコンクールでは話にならんわけです。他がどんなに良くってもね。
コンクールでは葛藤と感情を物語の前面に出していく必要があるんです。結論から話せば前面どころじゃなく、ど前面。顔面にぶち当てていくレベルで書くのです。
テーマを「初恋」に絞るってこれを僕らに半強制的に書かせてんじゃないかなと思うんです。
シチュエーションドラマとか構成が上手くてそれで一本書ききるとか、そういう技術、僕はすごく大事だと思うんですけどね。
※シチュエーションドラマや構成で魅せる場合テンポに持っていかれて葛藤&感情は細かく書く余裕ないです。尺クレ(経験談)
今の時代は視聴率が取れるのってこっち(シチュエーションや構成)なんじゃないですかね。推測ですけど。
感動系、それこそ恋愛ものは葛藤&感情を前面に出した方が面白くなるんだろうけどさ。
実際にコンクールとは裏腹にテレビでやっている面白いドラマは葛藤や感情をゴリゴリ前に出すってよりはシチュエーションや構成が面白くてウケていたりするものも多いんですよね。(プロデューサーさんという一般目線の存在が大きいのだろうと推測)
だから僕ら脚本家志望も流行に乗せてそういう作品を自信満々にコンクールに持っていくんです。
で、当然のように落とされる。
なぜって
葛藤&感情がドラマだからですよ!!
これは某シナリオ○ンターの受け売りですね。
別にこれを全否定するつもりはないです。
実際に葛藤が上手に描かれているドラマには面白いものが多いですし。
でも葛藤&感情がドラマの全てなのだろうか。そこがドラマの心臓なのだろうか。
そこに一石を投じたい。
※↓持論です。賛否両論だと思いますんでスラスラと流し読みしてくださいまし。
最近は以前コメントで頂いた「コンクールに寄せて作品を書く」ってこういうことなのかなぁとも思ったりするんですよね。
正直、悪習なように感じています。不愉快に思った人がいたらすみません。(あくまで持論です)
コンクールではプロの脚本家が一次の審査をしているとよく聞きます。だから安心だと僕は全く思っていません。
それはつまりプロになる率の高い某シナリオ○ンターの元生徒がそれだけ一次審査員にいるってことです。
彼ら元生徒は講師によって「葛藤&感情を描く=良きドラマ」そう共通認識として教えられているわけです。
それって極端な話、それ以外がコンクール作として届くとノンドラマになってしまう恐れがあるんです。
審「何だこれ、ドラマ(葛藤)書けてないじゃん!」ポイッ!
これってすごく怖いことだと思いませんか?中身はもしかしたらすごく数字が取れるかもしれないのに。
一次審査なら尚更自分の面白さの感性よりそういった指標というか判断基準と言うか、そういうものに頼って次に回しちゃうと思います。誰だって自分に最強のシナリオ審美眼があるなんて思っていませんからね。共通認識があるだけでそれは最高の武器になってしまうんです。
一次落ちの罠って僕はそこが強いんじゃないかなぁと思っています。
最終審査にもなるとプロデューサーさんも入ってきたりで面白いものがきちんと上がるんですけどね。一次や二次はやっぱり怖いですよ。
学校に通うと有利ってある意味そうかもしれませんね。あ、皮肉じゃないですよ。事実としてそうだと思っています。踏襲に近いかもしれません。
これが一年掛けてたどり着いた僕の反省です。
やっぱり自分の書いた作品は面白かった。そう今でも信じて思っているから辿り着いた答えです。
まとめます。
コンクールでは葛藤&感情をテーマに起承転結で流していかないと一次は通らない。そう今は思っています。
これはシナリオという自由な世界を半ば強制的に一種の意思統一に持っていったスクールという存在の悲劇に思えます。
歴史が長ければ長いほどそれが一つの文化として定着していく形です。
これはごく自然な流れなのですが、創作というジャンルにおいては不健全な状態ですね。
あ、何度も言いますがこれは持論ですよ。
都市伝説くらいに捉えてください。
異論反論は認めます。でも都市伝説なのです。
UFOやツチノコくらいには信憑性に欠ける内容ですよ。僕は信じてますけどね!
だいぶ脱線してしまいました。
説明のつもりが愚痴に聞こえたかもしれません。
話を戻します。
つまりこのテレ朝コンクール!
ある意味みんな同じ土台で戦えるんです!
だって恋愛をメインに持ってくる以上、葛藤&感情を書かざるを得ないわけですよ。
じゃなきゃ「承」が埋まりません!つまりそもそも完成ができない。
シチュエーションドラマや構成に頼って書いてしまうとそれは完成した頃には恋愛メインのドラマじゃなくなっていることでしょう。選考外です。
なんかね、そう考えると優しいなぁと思えますね、テレ朝。
悪習を逆手に取ってるんじゃないかってくらい手際がいい。(あくまで想像です)
書き上げてくる人たちは間違いなく葛藤&感情のプロフェッショナルたち。
そこ単発での勝負になります。シンプルでいいですね。
勝負の土俵が同じ(葛藤&感情の美しさ)なので敗北も受け入れ易いです。
でも書いて勝ちますよ!勝ちます!頑張ります!
ま、こんだけ熱く記事を書いていて、
「承」、全く書けていないんだけどね!(見通しもない)
葛藤&感情、難し過ぎやしませんか。
結局そこが書けないんだから僕はやっぱりまだまだのようです。
これは一次落ちですわ。(今までもこれからも)
誰かアドバイスください。ヘルプミー。