脚本の技術

第29回ヤングシナリオ大賞の受賞作品を読んだ!

投稿日:2017年11月30日

こんばんは!ふろゆです。

フジテレビ主催の第29回ヤングシナリオ大賞の結果出てましたね!

自分が負けた作品ってどんな作品なんだろう!(僕は二次落ち)

そんな思いから、さっそく大賞1本と佳作3本をまとめて読んできました。

(フジテレビのヤングシナリオのページからダウンロードできます。)

今日はその感想をば!

 

大賞は宮崎翔さんの「リフレイン」。

タイムリープものでした。

昨年は「君の名は」がヒットしたし、コンクールにタイムリープもので出した人多かったんじゃないかな。

僕もタイムリープもので出していただけに余計悔しい……。

ただ、

圧倒的にクオリティが違った。

「リフレイン」、ぐいぐい読んでいけました。

飽きずに最後まで読めた。面白かった。

僕の書いた作品じゃ勝てないよなーって納得。

伏線がいっぱいで、これはあえてなのかな?展開が読める。

だけどそれが心地いい。伏線回収がそれだけ綺麗ってことだと思います。

デスノートの結末が分かっていても見ていて面白いなって思える感覚に似てる。

それとアイデアの見せ方が上手。

構成がしっかりしていて発案してからしっかりと煮詰めてる。

最後走り気味になった感じはあったけど、

規定枚数65枚でギリギリだったから書き足すには足りなくなったんじゃないかな。

しっかり見せることだってできたと思う。(枚数があれば)

昨年大賞の「俺のセンセイ」は、台詞めっちゃ上手だなぁって思ったけれど、

今回の大賞の「リフレイン」は構成が上手でした。物語の見せ方って言うのかな。

完敗です。

 

佳作の相馬光さんの「サヨナラニッポン!」は、

タイトルの、

サヨナラニッポン!ってどういうことだ

ってまず最初に思って一番最初に読みました。タイトルのネーミングがすごひ。才能ください。

そして読んでみて納得。そういうことか!さよならニッポン!

読み応えがめちゃくちゃありました。この人、相当書ける人なんだろうなぁ。

後半になるにつれてかなり面白くなっていくのだけど、前半が少し重かった。

前半はサラリーマンの嫌な慣習というか文化というかそういった背景が書かれていたんだけど、

長いし共感呼びにくいし僕は少し退屈に感じました。※生意気言ってすみません。

でも後半の主人公の葛藤は丁寧に描かれていて、後半になるにつれて面白さも増していったかな。

 

同じく佳作の赤松新さんの「アンラッキーな夜」。

ドラマの時間のほとんどが「若月の家」で進んでいく。

古沢良太さんの「キサラギ」や

福田雄一さんの「大洗にも星はふるなり」ほどじゃないんだけど、柱が少ない。

「アンラッキーな夜」はところどころ別の柱も出てきてたけど

演劇でもいける話だなぁって印象でした。

いっそ柱をキサラギや大洗くらい極端に減らしてみたら斬新でもっと面白かったかも。

僕が元々演劇の脚本ばかり書いていたこともあって、そう思うだけなのかもしれないけれど。

話はコメディタッチで、強盗の神田が魅力的でした。

神田の魅力が引き立ちすぎていたことが良くも悪くもって思った。

直人辺りはもっと前面に出てきても良かったな。

 

そして最後。佳作、石川宙人さんの「MC母ちゃん」。

誰も信じてくれないだろうけど、

この作品は賞を取るんだろうなって一次の結果を見た段階で思っていました。

石川さん、7本もこのコンクールの一次を突破していて注目していたんですよね。

それでタイトルを一個ずつ見ていて、見つけたのが

「MC母ちゃん」

MC母ちゃんって響きがめちゃ良いじゃないですか。

MC母ちゃんすげえ。この作品には勝てねぇ。なんて勝手に思ってたんですよね。一次で。

7本も通っていたしタイトルのセンスも光るしこのまま大賞行くんじゃないかなって思っていたら

2017年10月14日にテレビであった世にも奇妙な物語で

「フリースタイル母ちゃん」

が出てきて、んんん??ってなったわけですよ。

MC母ちゃんはMCって書かれているくらいだしラッパーの母ちゃんが出てくるんだろうなって、

そしたらフリースタイル母ちゃんでもラッパーの母ちゃんが出てきて……。

世にも奇妙な物語もフジテレビなので、何となく嫌な予感。

結局賞を取ってくれたので深読みだったんだとは思いますが。

話の内容はフリースタイル母ちゃんっぽかったです。

母ちゃんがラップをしている娘(息子)とラップ勝負!(子供の将来のために)

ラッパー母ちゃんものの行き着く先なんだろうな(強引)

 

全部読んでみて、

ヤングシナリオ大賞、どれも面白かったです。

少なくとも僕が出した作品よりはどれも面白かった。完敗です!

でも勝たなきゃいけない作品ではあると思う。

すごい作品だなぁ。負けたわーって言うのは簡単だけど、

プロを目指しているからには負けてばかりじゃいられない。

この作品たちに勝たないと!

次のヤングシナリオ大賞、待ってろよ!!

※12月18日に大賞の「リフレイン」映像化されるみたいですね!

毎年楽しく見てるので、今年も見なきゃ!

にしても……

くぅー羨ましい!映像化は僕の一つの夢でもあるので正直めちゃくちゃ羨ましいです。

いいなぁ映像化。いいなぁ……。

 


 

「リフレイン」。

読んでいてどこかで見たことがある話だなぁって思ってたら

今年の8月頃にリリースしたアプリの「7年後で待ってる」に似てるんだなって。

アプリのリリースが後なのでパクリとかじゃないのは確かなんだけど、逆にアプリもアプリで「リフレイン」のパクリではない。

どっちの作品も、

男女が自分のため、お互いのためにタイムリープしたり、命を救い合ったり、

何度も何度も同じ日付をタイムリープしたり……。

似てるなって。

これもこれで、男女のタイムリープが行き着く一つの結末なのかも?

7年後で待ってる、これもおすすめです。面白かった。

 

MC母ちゃんもそうだったけど、尖った作品を書こうとしても被ることがある。

完全オリジナルなんて今は不可能なのかもしれない。

凝れば凝るほどどこかしら似ちゃう。僕も経験があります。

それなら尖った作品が書きたいがために変に冒険して作品のクオリティを下げるより、

自分の書きたいものを突き詰めて、誰よりも面白いと思える作品を書く。

この姿勢を僕は突き詰めていこうって思った。もちろん見てくれる人の需要も大事だけど。

自分の書きたいものが尖った作品ならそれはそれでGood。

頭でっかちじゃだめなんだろうな。

さて、

次のヤングシナリオ、どんな話を書こうかな!

 


 

リフレインの放送前に見所とか書いた記事はこちら

リフレインの放送後に書いた感想と解釈の記事はこちら

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