脚本の技術

ライターズこっち書けよ(構想とアイデアの話)

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こんにちは。ふろゆです。

最近は専ら第30回ヤングシナリオ大賞に向けて構想&執筆の日々を送っています。

遊んでる時間なんてないと自分に言い聞かせて他のやりたいことの全てを諦め、シナリオ一本の日々。

どうしても遊びたくなった時は、空き時間に遊び呆けている未来のいい年した自分を想像する。

そして未来のそんな自分を客観視する。

客観する相手は家族だったり友人だったり初恋の子だったりetc...etc。

彼ら(彼女ら)が何を思うか。

脳内で今の自分に対して言ってもらう。

……aa。

このままじゃダメだ。変わらなきゃ。

よし、執筆頑張ろう。

こんな感じ。

これを締切(2月末)まで続ける。

自分の持ち味である集中力と思い出、謎に持っているプライドをフルに活かす作戦である。

 

そんな最近、困ったことがありまして……。

今回のヤングシナリオ大賞に向けて構想していたネタがいくつかあって、

その中の自信があるものをシナリオに起こそうと決めていたのですが、

いざ箱書きしてみると全く別の案が出てきたりするんですよね。

1個のアイデアを捻出するのに結構な時間がかかったと思うのだけど、

いざ構想したネタを箱書きしてみると、横から別のアイデアがポンポンと。

しかもジャンルは全く違うし、一見くだらないしょーもないアイデアという。

で、厄介なところはそっちの何となく出てきた案の方が、根詰めて書いて映像化したら面白いんじゃないかって。

 

何で今出てくるんだよ。

全力で考えて箱書きしている時に。

さぁこれから頑張っていこうぜって時に。

今箱書きしているネタ、どれだけ練って考えたと思ってんだよ。

 

この現象、何なんだろう。

執筆期に神から

「そんな(つまらん)話より、この話を書けよ。面白いぞ。ハハッ」

と嘲笑されているかのような現象。

僕があるんだから、他の人だってあるあるのはず。

これに名前をつけたい。

うーん……。

そうだ。

「ライターズこっち書けよ」

と命名します。(異論は認めない)

この「ライターズこっち書けよ」は根詰めて考えたわけでもない脈絡のないアイデアだし、

映像化のためには矛盾だったり課題だったり問題だったりと色々と越えなきゃいけない山が当たり前のようにある。

それだけ映像化まで山があるってことは、

1.これまでに誰もが思いつかなかったような斬新なアイデア

2.思いついてはいたのだけど、お金をかけて映像化するにはつまらないアイデア

3.論理的、道徳的に映像化に向いていないアイデア

このどれかってことになるわけで。(他の可能性を見落としていたらすみません)

「ライターズこっち書けよ」に限らずアイデアが思いついたらそのアイデアはどれに当てはまるか一度これで考えてみてもいいかも。

1個ずつ見ていきます。

1であればどれだけ素晴らしいだろうか。

これだけでアイデア点が(あるのなら)もらえる。

ヤンシナはこのアイデア点に対する得点が毎回高い。と思う。

個人的な感想になるけれど、ここ数年、スケールはともかくアイデアがぶっ飛んでるものがヤンシナの大賞や佳作に多く並んでいる印象がある。

つまり他の応募作品と比べてヤンシナにおいてかなり大きなリードだ。

それに前述した「矛盾あり」「課題あり」「問題あり」の3拍子が濃ければ濃いほど1の可能性が上がる。

同時に実現不可の可能性も上がる。

なぜなら面倒なことはやりたくない。

実現不可と思えるものほど本能的に逃げてしまうのが人間だから。

「ライターズこっち書けよ」で舞い降りたアイデアにはこの3拍子がなかなかに揃っている。

これらをクリアした時、映像界に今までになかった斬新な作品ができるはず。

(※斬新な作品を作る方法は他にいくらでもあります)

 

2の可能性は自分のセンスを信じるならない。

脚本家を目指すものとして自分のセンスを疑った時点でおしまいだと思っている。

なぜならコンクールでは1500以上の作品の頂点にたどり着かなきゃいけないのだから。

倍率1500倍。数字で書くとよく分かる。

おかしい倍率。

その辺の大手企業や難関大学よりも倍率が高い。というより桁が違う。

その土俵で勝負するわけで。

「俺が面白いと思ったものは他の誰が見ても面白い」

この傲慢な心がなければ向いていないし、なるには難しい職業だと思う。

1500人以上の視聴者を相手に「このドラマ面白いなぁ」と唸らせる脚本を作る人になりたいならそれくらい傲慢じゃなきゃ。

もちろん見合った実力は必要だけど。

僕はもちろんその感覚は持ち合わせている。

じゃあなぜ今まで大賞を取れなかったって?

自分が見ても面白くない作品を書いていたからだよorz

 

3はどうだろう。

これも自分の感覚を信じるしかない。

日本の充実した教育を受けてきたなら、

極端に頭が弱い人か生粋のサイコパスでない限りはこの判断は可能だと思う。

3もない。(と信じたい)

 

ってことは、今回の「ライターズこっち書けよ」は1の可能性が極めて高いということ。

そうか、斬新な面白いアイデアなんだなお前。※主観です。

自分は無神論者だと思っているけれど「ライターズこっち書けよ」みたいなお告げはどこか信じてしまうところが悪い癖。

昨年のヤンシナもそうだったっけな。

さて、どっちを先に書こうか。

箱書きした作品にするかライターズこっち書けよにするか。

……。

「書きたいものを書く」

迷った時は初心に帰る。

脚本家を目指すものが忘れてはいけない心。

今回は、今書いている箱書きをいったん止めて、

「ライターズこっち書けよ」を先に書き上げることにします。

神様ありがとう。

 


 

今日はアイデア(?)の話でした。

途中、神様神様言っているけど、

きっと箱書き中は多方面に頭使ってるから新しい案が出るだけなのかなぁと。脳も良い感じに刺激されるし。

結局は神様じゃなくて自分の経験なんだよね。知識見聞は大事。

書いててずっと気になっていたんだけど、

この「ライターズこっち書けよ」現象。

あるあるだよね!?(不安)

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