久しぶりに10分短編書いたなあ……
役者さんが活躍しているアクトジャム俳優事務所がこの度、短編脚本(10分程度)を募集しているとのことで、
参加してきました!
自分の中でのシナリオルールが確立してきたのもあって、
ここんとこ駄作と傑作の違いが何となく分かってきた。
少なくとも駄作に関してはひと目見たら分かる。
傑作はまだ良くわかっていないかも。
だから思わずクオリティを下げてしまうこともたまにはあるだろう……。
でもでも10分という短編ではあるけど、しっかり考え、しっかり練り、甘えずに描ききれたかなあと思う。
なので早めに準備したものの応募は締切1時間前の23時頃でした。インターバルと称したサボりを入れてたのも原因にある。
素敵な作品が描けたんじゃないかな。
一次審査や二次審査があるのかは分からないけれど、選考進んでくれええと願う!映像で見たいから!お願い!!笑
さて、今回の募集では色々と制約(推奨項目)がありまして、今日はその話。というか反省。
では早速、まず一つ目。
10分程度であること
短編脚本と言うのだから当たり前なのだけど、枚数が制限されている。
今回の公募だと10枚程度。(20×20)
10枚程度というのは大体10分程度の尺。
そりゃもちろん理想は10枚なのだけど、シナリオのクオリティを高めるために枚数が多少前後してしまうのは仕方ないことって脚本家志望ならあるあると思う。
だから8枚~12枚くらいが許容範囲かな。±2くらいが現実的。
で、尺って言うのは短いより長いほうが『削ればいい』『撮影を巻けばいい』となるから好まれると思うのよね。足りない方がきつい。
だから10枚~12枚が今回のコンクールの理想なのかなあと思う。
で、
この12枚で如何に面白いものが描けるか
これがこの公募で求められているスキルだと思う。
『12枚で面白いもの』
と考えた時、何より重要視されるのは惹きの強さ。だと僕は思う。
ログライン(三行程度)がある程度面白くなければ12枚にしても面白くない。
短いと人を惹き込めるほどの重厚なドラマを序盤から描くには難しいからね。
だからある程度ログラインに頼り、最初から魅力を倍増させていかなければならない。
これが長編シナリオなら、
濃いメッセージ性を入れたり、キャラクターが作り込めたり、度重なる伏線を気持ちよく回収出来たりと、
道中で面白くする装置を入れることが出来るけど、12枚だとどれも難しい。
試そうと思ってもそれで枚数の大半が終わってしまう。
だから短編を描く時はいつも思うけど『アイデア最優先』に思える。
で、ログラインから『何か面白そうじゃん?』と思える話。これがベスト。
※ここで言うアイデアは『設定』だけでなく『ドラマ』も超重要。結局長編と一緒。
もちろん描き方も助長にならず、最初から全力投球。
物語の冒頭から奇天烈な映像や展開を繰り広げていった方が良いよね。って思う。
自己紹介シーンを入れる余裕はないので、ドラマの中で見えてくるような組み立てをする。
そして、短編はアイデア一辺倒だと紙芝居シナリオになりがちだから、そこを意識して描けるスキルは必要だと思う。
出来ない人はいっぱい描いて感覚掴んでいくと良いね。
僕も最近やっと力が付いてきた気がするので。
次に2つ目。
ワンシチュエーションもの推奨
ワンシチュエーションものとは何かと言うと、究極に言えば『柱』が一個のシナリオである。
居酒屋が舞台なら居酒屋内だけで完結する話、教室が舞台なら教室から一歩も出ない話。といった具合だ。
ここで僕らが考えることは、これは商業ベースの話になるのだけど
『なぜこのような制約を課されたのか』
という理由をきちんと考える必要がある。
まずこの公募は『ワンシチュエーションシナリオ№1決定戦』のような趣はない。
もしそうなら、ワンシチュエーションであることをもっと大々的に宣伝するべきだと思うし、『推奨』なんていう他を許容するような書き方はしない。
ではなぜか。
ここでワンシチュエーション推奨の注釈に、
※撮影は都内近郊、1日ないし2日間での予定です。
と書かれているところに注目したい。これはつまり、撮影スケジュールの話。
現場に赴かない脚本家に直接関係ない話かもしれないが、脚本には大きく関係しているからここに書かれている。(僕は現場に行きたいが)
なぜワンシチュエーションものである必要があるのか。
これが撮影スケジュールの問題であることが容易に分かる。
ここまで読み取れると話は変わってくる。
例えば、海行った後に埼玉の北の方行って……となると、一日ではやや厳しいものがある。
が、住宅街行って近所の公園行って近所の駄菓子屋でFinといったお話であれば、一日でも撮影は可能である。
後者は柱が3つのシナリオでありワンシチュエーションものとは呼べないものではあるが、コンクールの条件内には収まっているものだと推測出来る。
更に、1日ないし2日間この条件に思いっきり甘えても良いのであれば、
大きな柱は2つ以内
これがこの公募の理想形なのかなと思える。
一日目は公園(と、その近辺)で撮影、二日目は学校(校内全般)といった具合だ。
これならスケジュールは組みやすいし、募集要項を汲んだシナリオであると言えるだろう。
変に制約(ハンディ)を付けずに作品を自由に表現すること。
ハンディと書いている通り、不利にならずに描けるスキルも必要だということ。
そして3つ目。
これが最も今回の公募で脚本家を目指す方々の頭を悩ませたんじゃないだろうか。
少なくとも僕はこれに応えることに最も苦労した。
■キャスト
ご応募いただいた脚本に合わせ、キャスティングいたします。 なお、当事務所の俳優が極力出演できるイメージを推奨いたします。
・アクトジャム俳優事務所: https://act-jam.com/actor/
(もちろん全員でなくとも、該当者がなくとも構いません)
(募集要項より抜粋)
所属する役者さんが活躍できる場を作ってくれ。という相談である。
出会ったことがない役者さんのことを詳しく知らない以上は、アテ書きのようなことは出来ない。
しかし『プロの役者さん=何でも演じられる人』と僕は勝手に思っているので、あまりその辺は考えなかった。
ここで意識するべきは、『どうしようも出来ないこと』である。
具体的には、
性別、そして年齢だ
ホームページを見れば一発だが、アクトジャム俳優事務所では男性の役者さんの在籍率が高い。というか100%男性だ。
そしてアクトジャム俳優事務所では比較的若い役者さんに恵まれているように思えた。
つまり、
登場人物に女性はNGで比較的若い登場人物のみの話でよろしく!
そう考える人も多いだろう。が、別にそんな極端な話ではない。
それぞれの役者さんの出演している作品の動画を見れば一発なのだが、女性も普通に出てくる。
『極力出演できるイメージを推奨』という答えが横にあるのだが、
中心人物の中に所属している役者さんのイメージに合った役柄が最低一人いればそれで良いということなのだろう。
注釈にも、(もちろん全員でなくとも、該当者がなくとも構いません)と書かれているからね。
ちなみに僕は30代後半~40代前半の男性でイメージした。
具体的にはこの公募の募集担当者『松沢蓮』さんをイメージキャストとしてセッティングした。他の登場人物には、女性が多い。
極端に考えさえしなければそう難しいことではない。
苦労するような話でもないように思うのだが、僕自身が40代男性にあまり精通していないというのもあって、どういうドラマにしようかと小一時間は悩んだ。
はっきり言えば、僕の力量不足がそのまま苦労として出た制約であった。
とまあ、こんな感じである。
要項から『どんな作品を欲しているか』を意識して描く力はある程度必要に思える。
「ワンシチュエーション苦手!」とか、「登場人物縛りやめて!」とか、表面をなぞって自分に厳しくなり過ぎるのもよくない。
表面だけで解決しない利点は他にもあって、
例えば、
SFで機械ロボットがいっぱい出てくる話だったり、特殊メイクで膨大な時間を使いそうな話だったり、時代設定が江戸時代……
そういうシナリオはどれも要項内に収まっている内容だけど、選考外になると予想できる。
なぜなら僕が今日書いた要項外(撮影スケジュール的に不可)に当てはまってしまうから。
だから「要項がなぜそうなのか?」はしっかりと読み取って描ける人になった方が良い。
ま、ジャンルの指定は詳しくされていなかったから、ある程度自由に描けた公募だったんじゃないかな。
少なくとも僕は楽しく描けました。
何より映像化確約。
これが熱いよね。
熱すぎる。
頼むううう!!!
【40代の男性役者が出る10分程度の話】
と、これだけ聞くと理想はコメディなのかなぁと思う。
中年男性の笑える話って最高じゃん?でもさー、コメディって難しいんよな。
中身なくなりがち。
で、
【40代の女性役者が出る10分程度の話】
こうなると、ヒューマンいけるじゃん?となる。
でも10分でヒューマン。泣けるかあ?
テーマ語り切るまでに終わってしまいがち。
こうなってくるとやはり両者の良いとこ取りが強い気がする。
コメディとヒューマンの相性が悪い気もするから何とも言えないけど、無理矢理合わせる。
【40代の男性と、女性の役者が出る10分程度の話】
こんな感じにして、
奇天烈さの中から何か感じられる話。
とするのが丸い気がする。
そんな作品を応募できたかと言えば、そうとも言い切れないところが泣けるのだが。
これはあくまで僕の力量での話だから、コメディ全振りで描ける人も中にはいるだろうし、そういう人には敵わないな。
まだまだ修行中です。
精進精進!