感謝の心を忘れずに生きていたい
ご無沙汰しております。
ふろゆです。
気づけば半年間ブログを放置しておりました。
半年経つの早すぎて焦る。
えーと、何書くか。
更新していない間に色々あった気はするけど、一番はあれだ。
ヤングシナリオ大賞
テレビ朝日新人シナリオコンクール
この締切。
コンクーラー不可避イベント。
不可避って言うか、まあ当たりに行くわけなんですけど。
当たって砕け続けているわけなんですけど。
まずヤンシナ。
締め切り日がこっちの方が近いという理由だけで先に書くことに決めた。
で、ヤンシナといえば、そう。
昨年大ヒットしたドラマ『Silent』。
この脚本を担当したのが一昨年ヤンシナ受賞した生方美久さんというね。
Silent。
もう、凄まじい(素晴らしい)ドラマだった。
脚本家志望界隈にズドンと何か堕ちたよね。
僕が第二の生方先生になるます!!
そう思って即、筆を持った。
次のヤンシナ大賞は僕です。
うおおおおお!!!
気合は十分。
だけれども、9月から2週間単位の帰省を3回。
長い時で3週間。
母が闘病中のこともあり、可能な限り時間を作って帰省した。
これはこれでかけがえのない時間ではあった。
でも頭の中は親のこと一色で。
シナリオはほぼ触れず。
持った筆、何処へ。
大賞取る!!の覚悟は何処へ。
気づけば一文字も原稿が進まないまま年も越えてた。
おいおい、見て見ぬ振りしているだけでテレ朝シナコンもあるんだぞ。
このままではまずい。
いよいよ焦りが出てきたのがこの時期。
四の五の言わず筆を持った
着地はここ。いつもここ。
今まで何度この言葉をブログに書いたことか。
これはもう、僕に限らず皆に言いたい。
四の五の言う暇なんかない
書くしかない。
書かずに言い訳している人。
全員ここで一度反省してください。
ヤンシナテレ朝応募出来なかった人。
全員ここで一度反省してください。
さて、
執筆スタート
んで、執筆開始0.5秒で気づく。
第二の生方先生なれんくね??
ごめん、執筆開始0.5秒は嘘付いた。
ドラマを見ながらそれを強く思った。
脚本家には『強み』というものがある。
例えば『学園もの』『刑事もの』が得意。といったジャンルに強かったり、
『時代劇』『SF・科学』といった専門知識を多く持っていたり、
『機微の表現力』『構成力』『セリフが上手い』といった技術が長けていたり……。
実際はもっと複合的なものだし、作家の癖も味になり、
色んな強みが合わさって一本の作品が仕上がっていくわけだけれども。
これは長年描いてきた僕だからすぐに分かったことなのかもしれない。
逆立ちしてもSilentは描けん
すっげー語弊があるな。
Silent調のドラマは描けん
正しくはこっち。
これに明確に気が付いた。
僕がSilentの何に一番感謝をしているかと言うと、
『描けない』ことに秒で気づかせてくれたこと。
100年懸けても越えられない気がする。
自分の目指すべき方向がよく見えた。
今まで曇りまくったメガネを掛けていた気がする。
脚本家志望って『俺、天才だわ~すぐにプロなれるわー』という妄想から脱することが精神面における第一ステップだと僕は思っているわけだけれども、その次は『曇りなきメガネを手に入れること』が第二ステップ。
そんな感じがした。この2ステップはよく似ている。
鼻をへし折られる感じが特に。
今までは5本中書いたら4本くらい『人と人の繋がりを中心とした温かいドラマ』。
いわゆるハートウォーミングを感じる作品を描いてきた。
なぜかと言うと、
『それが上手に描ける』し『コンクールウケが抜群にイイ』と、盲信していたから。
涙腺ぶっ壊す作品を描けば審査員の心に強烈な印象を植え付けられる。
それで一次通過は余裕。そう思っていた。
でもさ、よくよく考えてみれば地獄の釜から出てきたような出生。
泥水啜りながら生きてきた幼少期から、
一歩間違えればどこかで犯罪者にでもなっていたかもしれない、
むしろ今が奇跡的にまともというか、いやまともではないのかもしれないけども、
少なくとも犯罪者ではない、その事実の方がむしろ常軌を逸しているかのように思えて。
心のどこかにまず間違いなく悪魔を宿していたであろう僕が、
何を持ってハートウォーミングを語れると言うのだろうか。
傲慢である。片腹痛い。
ゆえに、
今回のヤンシナは早々に舵を切れた。
第二の生方先生にはなれないけども、僕は『ふろゆ』になれる。
『ふろゆ』にしか描けないものをちゃんと描ける脚本家を目指す。
これが、とても大事だと思った。
今までもそのつもりだったけど、自分が思っているほど得意ではないことは多くある。
そのために、
『自分の強み』
をもっと深く考えて執筆に挑んだ。
ひたすら自分らしく描く。良さを殺さないように。
そんで、楽しく描く。ありのままを活かせるように。
時に『コンクールこれどうなん?』みたいなシーンも出来たりした。
それでも、恐れず書いた。一部を曲げたら全部が曲がる気がしたので。
ラインの見極めは長年コンクールに挑み続けてきたから何となく分かる(気がする)。
『らしさ』第一の執筆。
んで完成。
うん。良いものが描けたんじゃない?
ここ数年のヤンシナは小手先で描いたもので通過してキャッキャしていたけども、
自分が面白いと心の底から思えるものを出せていなかったような気がしている。
ここで言う面白いは脚本家として面白いではなく、一個人として面白いと思えるものの方である。
通過した時は嬉しい気持ちこそあれど『へえ~あれで通過かあ』とか思ったりしてたからね。まじ生意気。
コンクールの望むであろう作品を考え、執筆していただけだったからそんな感想にも至ったのだと思う。
いつものことながら結果は分からないけども、今回は満足感がある。
時間ギリギリで燃え尽きたとか、例年のそういうんじゃなく、自分らしくしっかり描けたことによる満足。
ふうううううう。
あとはテレ朝!!(〆切日は翌日)
3月1日。0:00。
テレ朝進捗……0ページ。
……ナメてる?
いいえ、とんでもございません。
一日でやります。
書かせていただきます。
応募します。大賞ください。
テレ朝のテーマは、ラブストーリー。
そうか。
ラブストーリーか。
ラブストーリーなら得意だぜ。
……。
頭の中でSilentの横文字が反復横跳びをしていた。
Oh...
執筆スタート。
間に合うだろうか。
クオリティも時間も不安だ。
それでも止まるわけにはいかない。
半日後の〆切に間に合わせる。(テレ朝〆切は15:00)
うおおおおおおお!!!
……。
……。
スマホのアラームが鳴る。
15:00!!!
ラストシーンまで描ききった。エンドマークまでいけた。完成だ。
あらすじ以外な!!!
まさかのあらすじが間に合わなかった。
敗因は分かる。
心が折れたこと。
数十行前に書いた言葉がこだまする。
ヤンシナテレ朝応募出来なかった人。
全員ここで一度反省してください。
マジで反省している。
ぶっちゃけると30ページ辺りで既に心は折れていた。
ボキンってめっちゃいい音がした。
筆の進むスピードがクオリティを物語っていたよね。
ラブストーリーが得意?
どの口が言ってんだ。
あーあ。コンクール応募始めて以来、初めてテレ朝に出せなかった。
皆勤賞消滅。
まあ出したところで……って感じではある。
でも参加することに意義がある。せめてそれくらいは思いたいじゃん。
ヤンシナに気持ち良く出せたからまだ軽傷では済んだ……のかな?
ま、エンドマークまで描いた自分に拍手ということで切り替えます。
一つ反省点を挙げるなら、
Silentにめちゃくちゃ引っ張られた。
戦う土俵を間違えた自覚がある。すぐ影響受けちゃう。
でも、それくらいすごい作品だったもんな!!
あああああ、ばかばかばかばか。