数日前にメインメニューの『作品置き場』を廃止した。
理由は載せるメリットよりデメリットの方が多くなったからだ。
ブログに唯一載せていたシナリオも削除した。
思い入れのあるシナリオだったけど……。
今日は削除に至ったまでの過程を書き記したい。
ぶっちゃけた話をする。
ブログ開設2年目くらいまでは、ブログが有名になれば載せたシナリオをドラマPが読んで声を掛けてくれる。
そんな期待をしていた。
自分がシナリオライターとしてプロレベルだと本気で信じていたのだ。
プロになれていないのはマッチングの問題だと思っていた。
でもシナリオを学んでいく内に、自分に実力が全くないことに気がついた。
実力もなしにそういう期待をしているセコい精神が、何よりの問題点だと自己嫌悪した。
このままでは一生プロになれない。
考えを改めた僕は、それ以降シナリオをブログに載せることをやめた。
幸いなことに、講評を受ける場や仲間には困っていなかった。
だからブログで不特定多数に作品を公開するメリットは、Pに読んでもらう他、何一つなかった。
シナリオを描き続けるモチベーションの一つ。
そう考えてこのブログと向き合った。
初学者でも読みやすいよう
『シナリオは誰でも描ける』
そう思ってもらえる記事作成を目指した。
既にコンクールに応募している人たちには、
『皆が同じように悩み、苦しんでいる』
と、共感出来る記事を書いた。僕も共感したかった。
穿ったものだと、
『ふろゆダッサ。こんなことで悩んでんのかい!』
とストレスの発散じゃないけども、自分が道化に映る記事も描いた。
言い方が悪くなるけども、
他人を見下して毒抜き。己を保つ。
そういった人たちにも読んで欲しかったんだ。
何よりも、
プロを目指す人間の酸いも甘いもしっかり記しておきたい。
そういう想いがあった。
あと一つ動機はあるが、これは追々どこかで話したい。
Pへのアピールはやめた。
もう新しい作品を載せることはない。
このブログの作品置き場は数年前には削除して良いものだった。
それでも一本だけ、ずっとシナリオを載せ続けていた。
『朱殷のヒーロー』
第31回ヤンシナ一次落ち作品。
4年も前の作品である。
今では読むのも辛いくらい恥ずかしい出来だ。
作品内ではドラマの『ド』の字も出てこない。
アイデア一辺倒で描ききった、自己満足だけの空っぽシナリオ。
何度送り直そうが一次落ち確定のこのシナリオで、僕はブログ越しにPに猛アピールを決め込んでいた。
何で一次落ちなんだよ!コメント求む!!!怒
みたいな姿勢もくっそ恥ずかしい。
ここ数年、ずっと消したかった。
でもその恥じらいを公開し続けることで、
『甘ったるい精神を捨て去る』
そういう決心へ切り替えていった。
初心忘るべからず、とは何も初心が優れている時のみ使う言葉ではない。
打算的で幼稚な、僕の中の大嫌いな初心者を根元から葬り去りたかった。
クソ雑魚甘えメンタルを『恥』として晒し続けることは、僕が素敵な作家を目指して歩み続ける安定剤でもあった。
※作品自体は恥ではないです、当時の全力で書いたんで。下手くそだけど。
でもね……
このブログも長く続いて、アクセスがとても増えた。
にわかに信じ難いことだけど、
「シナリオライターを目指す人の多くがこのブログに辿り着く」
そんなことをオフ会で言われた。
もしこの話が本当なら、初学者の人もこのブログを多く見に来ていることだろう。
そんな人たちに堂々と『作品置き場』と称して作品を載せているのは如何なものか。
僕はブログ上で5年間シナリオを描き続けているふろゆさんをやっている。
朱殷のヒーローは一次落ちと書いているが……
嘘偽りなく当時の全力であるが……
応募時点4年前のヤンシナだと日付見りゃ分かることだが……
ブログ記事を読み、ふろゆさんに興味を持ち、シナリオ置き場へ向かって、唯一誇らしげに載せている作品を読む。
容易に推測出来る行動フローである。
ていうか、このブログアクセス解析入れているから、推測以前に巡回ルートが分かる。
で、嫌というほどそういう新規さんばかり……という。
何だかすっごく申し訳ない。PDFの原稿データにアクセスが入る度に心臓の鼓動が早くなっていた。
万が一にも参考にされたらたまったものじゃない。
僕のせいで一次落ちした初学者が数人いるかも……。
読者のためにならないというデメリットがまず一点だった。
それでも、
『ふろゆはこの程度だったかあ、ハハ』
と、学んでいく内にいつか笑い話に思ってくれればまあいいか。
と放置していた。
だが、放置するわけにもいかなくなる事件が起こる。
それがもう一つの無視出来ない理由だったりする。
朱殷のヒーローを読んで、
ふろゆ下手クソだわー
と思われるのは構わない。
今は当時ほど下手じゃないし、見下される云々はどうでもいい。
でも、
ガチ会
を最近企画し始めているんだよね。
これでトラブルが発生したんだよ。
第一回のガチ会メンバーを募集した時に、
『ガチ会参加したいんですけど、ふろゆさんの作品を読みました。正直……ね。あれじゃ講評されるの無理っす』
と連絡が来た。
意訳すると、
『ふろゆ下手だよね。それで主催とか勘弁してくれ』
である。
知らない人にどう思われても良いし?とか思っていたけど、フツーに傷ついた。
僕が抜ければ問題解決なのだが、主催なので抜けようもない。
まあ参考資料が『朱殷のヒーロー』だけじゃそうも言いたくなるか……。
4年も前に描いた作品しか載せていない僕が悪い。
そこからどれくらい力をつけたかなんて読者には想像つかないし……過失は10対0で僕にある。
でも傷ついたことだけは分かって欲しい。
脚本家を目指して2年→6年の筆力の振れ幅って結構あると思うんよね。
中には全く変わらないという人もいるかもしれないけれど、僕は周囲に恵まれたこともあってかなり伸びたと思っている。
その辺の話を少しした。
あとは通過実績の話をして、何とかこれだけ描けるよ。ノープロブレムだよ。
そう参加を考えている彼に前向きな説得を行った。
でも……。
一度付いた印象って中々拭えない。
『ふろゆは下手クソ。講評は無理』
意訳とはいえ、こうもはっきり言われてしまうと今の作品を送るなどの強硬手段を駆使してこの先何とかガチ会に参加してもらっても、僕の講評は彼には響かない。
そう思った。
僕が目指していたものは、ガチな会だった。
大前提として必要なものは『お互いへのリスペクト精神』である。
だから大変申し訳ないけども、お互いの時間を守るためにガチ会への参加をお断りした。
細かく話せば他にも幾つか理由はあったのだけど。
古い作品を載せていたばかりに起こった悲劇と言える。
これから第二回のガチ会を行うにあたって、
朱殷のヒーローを公開している状態を大きなデメリットと感じるようになった。
書いていて悲しくなってきたが、そういう過程で『作品置き場』は削除する運びとなった。
ふろゆさんの作品読みたーい!!という人は、
ガチ会に参加して出来立てを読んでくれ
条件付きだけど、それで勘弁して欲しい。
あともう一つ読む手段がある。
ふろゆがプロになるまで待っていて欲しい
恥ずかしすぎて棒線入れたくなったけど、縁起でもないのでやめた。
ガチ会。
僕は相手の筆力を気にしないから、見下す云々は違和感あんだよな。
っつーか下手くそかどうかって相互的なもんじゃん。
俺が下手云々はいいよ。でも、自分はどうなん??
そっちこそ名刺(シナリオ)見せろ名刺!っおらぁ!!
と、最初は少しイラッとしたけれど、主催がポンコツだと会も上手く回らない。
そりゃみんな時間を無駄にしたくないもの。慎重にもなるよね。
だからなんつーか、悪いことしたなって。
俺が悪ぃーわ。申し訳ない。
ほんと、情けねえわ。