雑記 思い出

ハウルを嫌う僕と淡い青春。-人は、鳥にはなれない-

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※今日の記事はハウルの動く城の内容はほぼ関係ない、久々のエッセイ風?のお話です。なので作品のネタバレもほぼありません。

 

ハウルの動く城、昨日の金曜ロードショーでやっていたみたいですね。

僕は見なかったんですけど、皆さんは見ましたか?

家庭の事情でテレビがあまり見れなかった少年時代を過ごしてきた僕は金曜ロードショー等で皆が慣れ親しんでいるはずのジブリ作品ってなんかこう、

見てないことが逆にステータス?

みたいなとこがあって、こうやって大人になって自由に作品が見れるようになってもあえて見ないような、そんな縁のあるジャンルなんですよね。

そんな僕なんですけど、

「ハウルの動く城」は視聴済みなんです!

これって普通の人なら「だから?」って感じなんでしょうけど、個人的には結構なことなんですよ。

この年で「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」を見たことがない人間ですからね!そこでなぜ「ハウル??」ってなりません?

あ、なりませんか。

でも今日は話させてください。

この「ハウルの動く城」という作品を見た経緯因縁を……。

 


 

これははるか昔、僕が中学生だった頃。

当時、好きだった女の子がいたんです。

僕とその子は友達以上恋人未満みたいな

「異性同士の友情は成立する」

を地でいくようなそんな関係でした。

ま、今思えば僕が「好きだった」時点でこれは成立していなかったんですけど。

ただ、今では珍しい男女の仲睦まじい関係だったんです。

当時の連絡手段というのは、今はLINEなんでしょうけど、僕の時代はメールが主でした。

なので僕はその子とメール交換を日頃から行っていたんです。

その子のことが好きで彼氏になりたかった僕は、何となくその子の好きなタイプを日頃から探っていました。

片思いだけどその子のタイプが分からないから気持ちを伝えることができない、分析(勝算)待ち状態だったんです。

なぜなら当時の僕は今とは違って、勝てない恋愛(博打)はしないチキンでした。

で、ここまで話せば察しの良い人なら気づくかもしれません。

ある日、メールで

「ハウル、ちょー格好良い!好き!大好き!」

みたいな熱烈な告白文が届いたんです。

そう、

 

その日、テレビで「ハウルの動く城」が放送されていたんです。

 

「ハウルの動く城」が地上波でやっていることを僕も生徒ネットワークで知り得てはいたのですがあいにく見ることはできませんでした。

というのも、家庭の都合(以下略)でテレビが見れない環境でしたからね。

 

ちょー格好良い!好き!大好き!

 

この台詞はハウルではなく、僕が言われたかった言葉です。

だから彼女が好きだった僕は当然、

 

ハウルって一体どんなやつだ!?!?

 

と、こうなったわけです。おかしな話ですが普通に怒っていました。いわゆる恋敵登場ってやつです。

二次元に嫉妬するのもおかしな話なのですが、当時の僕は二次元にブチ切れられる程には本気だったわけです。

彼女がジャニーズ好き、彼氏がアイドル好きで怒る人と似ているかもしれませんね。

あれもある意味二次元に嫉妬していますから。

 

怒り狂って我を忘れ、気がついてみれば、

 

僕はTSUTAYAの前に立っていました。

 

もちろん目的は「ハウルの動く城」のDVD。

二次元にブチギレている一方で、冷静に物事を分析して問題を解決に導こうとしていた僕。

そう、頭ではキレていながらも、

 

僕はハウルになりたかった。

 

好きな子のタイプが知りたかった僕。そこに出てきたハウルという二次元男。

つまり彼女のタイプがハウルで、ハウルこそが彼女のタイプ。

好きな子から「好き、大好き」。

 

そう言われるためには鬼にも悪魔にもそれが例え憎むべき恋敵で更に二次元で、更に更にハウルだったとしても!

何にだってなってやる!

 

喜ばしいことにハウルは画面から出てきません。

つまり自分自身がハウルになってしまえば勝率100%です。

この方程式をあの告白メールから導き出す中学生の知能。

人生とはまさに数学である。

 

我ながら当時は天才でした。

 

連立方程式「彼女」のx(エックス)に入る「解」は「ハウル」じゃなくて、「僕」なのだ。

 

勿論、天才が故に、

二次元のキャラクターになれるのか?

という当たり前の疑問は浮かびました。果たして僕はxになれるのか、と。

この世には「解なし」というこの世には存在してはならない問題だって存在することを僕は日頃の学びより知っていました。

 

この問題が解なしであってはならない。

 

ジブリ難民だった僕が見ていた数少ないジブリ映画の一つに「天空の城ラピュタ」という作品があります。

偶然にも「城」繋がり。まぁこの点はどうでもいい。

ラピュタの男キャラクターをざっと挙げてみましょう。

主人公「パズー」。敵である「ムスカ」。その他

以上。

彼らの特徴は知っています。

 

勝てる。

それに、

なろうと思えばなれる。

 

ジブリの男には芋臭いやつらが多いです。(僕の当時の見解で全くの誤解です)

都会かぶれしているムスカでさえあの成りですから、現代に生きるおしゃんてぃーな僕が負けるはずがありません。

これが普通のアニメで当時流行っていたブリーチの一護とかだったら勝てないから諦めがついたんでしょうけど、幸いにも今回はジブリが相手です。

パズーくらいなら勝てるはず。

卍解どころか斬魄刀を出すまでもありません。

手を繋いで「バルス」って言えばイチコロよ。

ジブリならなれる、なれるぞ!!

解はある!xになれる!

よっしゃ、なってやるぞハウルに!!

ハウルを分析してやろうじゃないか!!!

素っ裸(キャラクター分析)にして何もかも見させてもらおうじゃないか!!!!!

さぁ!さぁ!!さぁ!!!

 

 

……(視聴中)。

 

 

ハウルイケメン!!!!!

 

記憶朧気にハウルを評価することになりますが、

ハウルは

くっそイケメンの鳥でした。(間違っていたらすみません)

くっそイケメンの鳥……。イケメンだけだったならまだいいです。

ハウルは、

 

飛べる。

 

勝ち目がどこにあるというのでしょうか。

イケメンで、飛ぶ!?!?

中学時代、天才だった僕は悲しくも一つの解に導かれていきます。

 

「人は、鳥にはなれない」

 

人は、飛べないのだ。

ライト兄弟はそれでも飛べると言って、実際に飛んだんだろうけども……。

ん?鳥になるってつまりそういうこと?

そういえばラピュタでも、パズーの父親は飛んでいたし、パズーも飛んでラピュタを見つけた。

そうか、僕にライト兄弟、いや、とどのつまりパズーになれと?

パズーならあるいは……。

 

 

絶対違う。彼女はハウルが好きなんだ。パズーでは決してない。

ずるいぞジブリ。ラピュタに謝れ。

……。

こうして僕の淡い青春は終わった。

終わらされたというべきか。イケメンハウルによって。

 


 

だから僕はハウル(※)が嫌いです。(現在進行系)

※決して「ハウルの動く城」という作品が嫌いなわけではないです。

ジブリ作品はどれも好きですし。こだわりがあって見ないけど。

 

彼が飛ばなければ勝算はあった(イケメンは好み)から告白にチャレンジしていたかもしれない。

でも飛ぶんだもん。イケメンでそれでいて飛ぶって、もう勝てないよ……。

ハウル嫌い。

こんな記事を書いておいてこういうこと書くと怒られちゃいそうですけど、ハウルのストーリー、全く覚えていないんですよね。

ハウルを真っ裸にすること(キャラクター分析)に夢中だったことを差し引いても話自体が難しかった気がする。

それとなく話の流れくらいは覚えていそうなものだけど覚えていないから、きっとそう。

今見たら内容、理解できるのかなぁ。

……いや、見ないけどね!やっぱりむかつくからっ!!

 

 

前回のエッセイ風の記事はコチラ。

恋愛の思い出はどうもエッセイになりやすいらしい。

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