悲しいなあ
2020年、多くのベテランの役者さんが自ら命を断っている。
当然ながら人は毎日死んでいる。
言い方は悪いが自殺大国日本では自殺はどちらかと言うとポピュラーな死に方だ。
いやしかし、
こんなにも続くのか
傍から見て大成功な人生を歩んでいる者たちの自死が与える衝撃ってデカイ。
自分って何してんだろ？？
毎度そう思えてくる。
自分がちっぽけで、情けなく感じる。
彼ら彼女らが第一線で表現をしている年齢に、僕は家でシナリオを描いているだけ。
描いたものは映像化されないどころか、ダスクシュートされる可能性が極めて高い。
少し変わった自慰と言って良い。自慰を毎日毎日毎日毎日繰り返しているだけ。
ああ……
死ぬべきは僕だろうよ
日本中の誰もが思う。
命は平等とは言うけれど、そこを天秤にかけたら間違いなく僕の人生の方が軽い。
なーにやってんだ自分。
過去最悪な自己嫌悪が訪れる。
何で僕は生きてんだろう
ため息しか出てこない。
一通り落ち込んだ後に思うのは、動機だ。
動機さえ分かればその内容次第でまだ僕も生きていていい。
そう思えてくる。
だから動機を知りたくなってしまう。誰のためでもない。
自分への救いのためだ。
人が死ぬには相応の理由があるはず。
死ぬのが最良の選択と思える何かが必ずある。
そう考えてしまうのは僕がシナリオ脳だからなのだろうか。
僕が登場人物を何の意図もなく殺していたなら、そのシナリオはフルボッコにされるであろう。
視聴者の納得がいかない。
だから死ぬという大きな出来事にはそれなりの、相応の理由があるに思えてならない。
あれだけ華やかな人たちが死ぬくらいの動機。
陰謀論
でっかい組織が絡んでいて、とある秘密を知ってしまっていたがために芸能人を一人ずつ自殺に見せかけて殺している。
だからそもそも本人には動機(悩み)なんてない。
そんなことも考えたが、
スキャンダル
こっちの線の方が視聴者的には納得のいきそうな現実味を感じる。
伝播するものでは考えたくないけれど、例えば薬物。
違法薬物の使用が発覚した芸能人は社会的に抹殺される
その先は生き地獄のように思える。
今後テレビに出てこれないだけならともかく、過去の作品までも(少なくとも商業的には)全て亡き者にされる。
更にはバカでかい損害賠償まで請求され、死ぬより辛い目に合うのは目に見えている。
自業自得ではあるけども、もし僕が超有名役者で薬物使用者ならそれだけはきっと耐えられない。
考えられるだけでもめちゃくちゃだ。
スキャンダル発覚前に死ぬと思う。
死ねば少なくとも過去は守れる。お金だって、家族だって守れる。
綺麗なまま死ねる。
全てを守るために逃げただけだ、天国に。
これなら視聴者も納得だろう。
……。
こんなことを考えてしまう時点で死ぬべきはやはり僕の方だったのだろう。
荒んでいるよお前。病気はお前。
薬物使用だなんてバカバカしい。死人に口なしとはよく言ったものだ。
そんなことあるはずねーじゃん。ドラマじゃあるまいし。亡くなった人を悪く言うんじゃねー。
でも、うつ病だとか芸能人にしか分からない苦しみだとか、色んな憶測の中で誰もが納得のいく答えを求めているはず。
みんなそうだ。
視聴者っていつもそう。
理由ばかりを探している
醜い。
結局は同じ穴のムジナ。
だから僕だけじゃなくみんなが荒んでいる。みんな病気。頭おかしいよ。
みんな死ぬべきだ
僕らに出来るのは追悼。
やるべきも追悼だけなんよ。
『ご冥福をお祈りします』それだけでいい。
余計なことを書いたって水掛け論になるだけ。そこで揉めるなんてバカバカしい。
動機や想いは本人しか分かり得ないことだし、故人からするとお前らなんかに分かって欲しいとも思っていない。
だからお悔やみ以外の発言は全て故人を弄んでいるも同義。理解しろ。故人蔑ろじゃんよ。
バカたちは難しいことなんか考えず、偲ぶだけでいい。
それが最も死者に寄り添った賢い接し方だと思う。
日本人の美学的に。
あああああ。
こういうことばっかり考えている自分が嫌いだ。なんだよ美学って。
でもそういうことなんだよな。
偲びたい人は勝手に偲べば良いし、動機を知りたい人は勝手に考えれば良い。
全部勝手にする！
そこに最適解なんてないし、賢さもいらない。
悲しいのはみんなそうなんだから！！
悲しいなあと感情をあらわにする人、
なんで……と動機を考えてしまう人、
家族や作品等の周りの変化を考える人、
この中のどれが真っ先に出てくるかでその人がどんなシナリオを描くのかって大体分かる。
事件が起きた時にまず『何を思うか』がそのまま『何を描くか』に通ずる。
でもプロは全部を多面的に考えなければならない。
三者三様の価値観があれば、そこには三者三様の共感性があるから。
……。
シナリオ脳って人間性を失くしていくと思う。
自分の考えさえも客観的に思えてきて、いつしか自分さえも見失ってしまいそう。
だからこの記事を書いたのは『ふろゆ』ではない。そう思いたいね。
終わっているよ本当に……。