遠い昔、鹿児島という國に住んでいたことがある
第15回南のシナリオ大賞、応募してきましたああああ!!!
燃え尽きた……。
今年の南のシナリオ大賞では、応募状況をリアルタイムで見ることが出来るという新しい試みをやっていました。
これは今年から始めたみたい?多分。
現在の応募数や応募タイトルを見て、『ほうほう』と(タイトルだけ)審査員気分を味わえるところが面白いですね。
創作意欲は、得る人と失う人で半々くらいでしょうか。
秀逸なタイトルを見て闘争心が強い人はより燃えそうだし、逆にメンタルがやられちゃう人もいる。
かくいう僕は、人の秘密を勝手に覗き込んでいるような気がしちゃって、そもそも積極的に見に行こうとは思えない人間でした。
と、言えば聞こえは良いけども!!
やっぱり気になってしまってね……。
「見ていいよ!」と言われたら気になるじゃんよ。
システム的に見れるのだから合法なんだよね、いいんだよね?
それで結局、見に行っていました。しかも定期的に。
「俺は変態ダーッ!!」
そんな自分を抑えられない自分が嘆かわしい。
応募総数は300。ぴったり300。すごいです。
自分が出さなければ299だったのかと思うと、それだけでも出して良かったなと思います。
タイトルにある通り、今回が初めてのラジオドラマ執筆でした。
さあ描こうか!!と思った矢先、いきなり書き方が全く分からないという壁にぶち当たってしまった。苦笑
ラジオドラマは普段全く聴かないこともあって、僕ごときが出すのもなあ……と逃げていたものの、城戸賞の応募があまりにも不完全燃焼で、自信も同時に消えつつあり、描いてみようかなあと重い腰を上げました。
まずは第14回を受賞した各作品を読みながら、一つ一つ書式やルールを覚えていくところから始めてみた。
テレビドラマとは色んなところが違うなあと思いながら、どれも楽しく読むことが出来た。
「ラジオドラマ面白いな!!」とラジオドラマの魅力を感じることが出来たのが、一番の収穫だったかな。ほてぱき最高!
ラジオドラマは映像がない分テレビドラマよりも感動は薄れるのかなと勝手に思っていたけれど、全然そんなことはないんだね。
むしろ逆にラジオだから良いなっと思える作品ばかりだった。
僕は今回、いくら頑張ったって初心者の仕上がりになる。
これは仕方のないことだ。初めてなんだから。
でもどうせ初心者応募になるのなら様式美の整った作品は目指さずに、ゴリゴリにふろゆらしさを感じられるような、そんな作品にしたいなと強く思った。
もちろん受賞作品のようにラジオドラマの魅力を感じられることもマスト。
で、「ラジオならでは」なプロットを考えてみる。
ラジオでしか出来ないこと。
ラジオで光る題材。
演出方法。
……。
一つアイデアが思いついたので、15枚描いてみた。
「簡単なあらすじ」
古い喫茶店で男の子が居合わせた人たちと恋バナを始める。
具体的には、男の子は好きな人に告白をするかどうかで悩んでいる。
年齢も職業も違う彼ら彼女らとの会話の中で、男の子は今後どうするか悩み、葛藤する。
決断フェイズを終え、スッキリしたところで場面は切り替わる。
なんと目の前にはさっきまで話題の中心にいた、告白の相手。
今までの会話劇は全て、主人公の脳内で生まれた人たちとのやり取りだったのだ(一人五役)。
告白した世界線やしなかった世界線。それぞれの線の先にいる主人公や未来の恋人たちが実は相談相手だった。
そんなことが後から分かるようなオチになれば、よりラジオならでは感も出るのではなかろうか。
その創作意図を意識して、シナリオを仕上げた。
初稿の完成は8月28日。
うん。
くっそつまらねえ
なんて言うかな、ギミックだけのシナリオが出来上がった。
どんでん返しにパラメーターを全振り。
『俺は創作の技術だけはすごいんだ』
って勘違いしていそうな人が描きそうな、空回りした作品。
描いちまったのは僕です。
初めてのラジオドラマはこんなもんになるよなあ……と思いながらも、
コンクーラー歴一年目でもないのだから『出すことに意味がある』で納得するのも腑に落ちない。
落ちると分かっている作品を出すのは死ぬほど嫌だった。
だから、
15枚全部消した
納得いかねえもん。面白くねえもん。
感動も余韻も、共感も感じられない。
これを『ドラマ』とは呼べない。
テレビドラマは長い間描いてきたのに、そこで得たものを全く生かせていなかった。
……。
ラジオドラマだろうと関係ないんだよな。
『ドラマ』が大事。
そう考えて『人間ドラマ』を中心に話を考えることにした。
「ラジオならでは」と考えるからドツボにはまってしまったような気がする。
それで何となく気になった程度なのだけど、興味の持てたトピックを一つ見つけた。
このトピックで自分が思ったことを人間ドラマ化して、ラジオドラマに乗せよう。
そう思って一からプロットを組むことにした。
そして気づいた。
「ラジオならでは」とは、
頭の中で広がりを持たせること
なのではなかろうか。
ラジオドラマを聴く人たちが、イメージして楽しめるような創意工夫。
これが必要なのかもしれない。
『ラジオでしか出来ないこと』をそのままの意味で捉えてはいけない。
この考え方は間違っているかもしれないけれど、当初思っていたことより幾分マシなように僕は思った。
……。
新しい作品の初稿が仕上がったのは8月31日。
南のシナリオ大賞の締切日である。
いつもギリギリだ……。
計画的に進めているはずなのに、どうしてこうギリギリなんだろうな。涙
でも今の自分の実力通りの、納得出来るラジオドラマは描けた気がする。
描きたいものは描けた。
一次審査は、どうかな。
あまり期待はしていないけれど、落ちると分かっている作品を出したつもりもない。
結果は分からない。そんな作品を出せたような気がする。及第点だ。
コンクールでは、自信のあった作品が落ちることもあれば、自信のなかった作品が通ることもある。
だから気楽に結果は待っていようと思う。
南のシナリオ大賞に応募した皆さん、お疲れさまでしたっ!!!
南のシナリオ大賞は、九州の地名や町名を入れることが応募条件の一つにある。
九州を舞台にした作品は必然的に多くなる。
だから、九州に住む人たちは幾らか有利なのだと思っていた。
かくいう僕も出身は鹿児島県。
人生の20年近くを九州で過ごしてきた。
だからここでは、俺TUEEEEEEEE無双が出来ると勝手に思っていたんだ。
でも、実際は全く出来なかった。
黒豚がうまい。
桜島は噴火する。
火山灰も降って、方言が強い。
実際に住んでいたことがあっても、誰でも知っていることしか僕も知らなかった。
全く有利ではなかった。
いや、ナメてた正直。
鹿児島出身なのにそこで躓くし、
ラジオだから柱を立てることも難しいし、
『音』の使い方もいまいち勝手が分からない。
50枚に比べれば15枚くらい……と思っていたけれど、50枚描くのと同じくらいパワーが必要だった。
『15枚のラジオドラマなら、すぐに終わるな』
とか思っていた自分をぶん殴りたい。
準備は必要だ。
実際に書いてみて、
ラジオドラマを描ける人はすごい
改めてそう思った。ほんと、おつかれ……。