脚本の技術

【風呂の呼吸】ドラマを書き起こして学ぶ【一の型】

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風呂遁・ドラマ模写!!

(侍よりも忍者世代です)


 

はいどうも、ふろゆです。

実は一本「描きてええええ!」というアイデアがありまして、これをすぐにでもシナリオに起こしたい。

しかし如何せん今の実力はチンパンジー以下。

このまま描くのは笑止千万なわけです。

少なくとも「人と同等程度」にならなければこのアイデアを上手にシナリオには描けない。

っつーか正直、このアイデアに賭けたいという想いがある。

数年描いてきて、アイデア段階でこの手応えはなかなかない。

このアイデアなら絶対に大賞が取れる。

コンクールに一つ大きな神風を起こしてくれる。

そう断言したい。

それくらいの自信がある。

これで「アイデアがチンパンジー以下」だったならそれこそ僕の目は節穴で、先見の明もクソもなかったようなヤツに成り下がるだろう。

で、このアイデアを「自分の実力不足」とかいうクソみたいな理由で落選させるのは本当にもう嫌だと考えていたわけです。

 

ということで、急がば回れ。

自作の執筆は一度止めて、原点回帰。

 

「時を戻そう」(ぺこぱ)

 

一からシナリオを始めるなら自分なら何をするかなー。

 

それで思いついたのがそう、

 

プロのシナリオを書き起こす!

 

というやつ。

細かく言えば初学者ならシナリオのルールを覚えるとかそういうのもあるんだけど、

数年やってきた人間がそこまで回帰してしまうといよいよチンパンジーにもなれないので割愛。

 

でね。

シナリオを書き起こすということ。

実はシナリオを学び始めて一年経過後くらいかな。

結構ガッツリやったんですよ。

月刊ドラマを買って好きなプロの作品を漁ってWordでポチポチね。

たくさん読んでたくさん写して……

 

全く上達しなかった

 

というね。

これには個人差があると思う。伸びる人は伸びるだろう。おすすめしている人も多くいる。

少なくとも僕はダメだった。

写しを行った結果、それで書けたシナリオが面白い面白くないは置いておいて、結果には反映されなかったんだよね。

もちろんそれ以降も。沈

今あの時と同じことをやって得られるものはいくつかあると思うんだけど、苦い思い出もあるし思い切ってやり方を変えてみることにした。

それで思いついたのが、

 

風呂の呼吸一の型・ドラマ模写!!

(念のため侍にも媚びていく)

 

シナリオを書き起こすのではない。

ドラマを書き起こす!!

これはドラマを見ながら『一時停止・巻き戻し』という文明の利器を使ってシナリオに書き起こすという先進的かつ革新的な荒業。

ちなみにその作業は映像を見てシナリオに書き起こした後、都度リモコンをポチポチ操作しなければならないというデジタルなのかアナログなのか疑わせる酷く地味な方法だ。

で、

 

これが当たった

 

このやり方では普通のシナリオの写しでは起こり得ない縛りがある。

 

一つ、ト書きで使う語彙や文面を自分で考えて書かねばならない。

一つ、映像を見ながらシナリオで書くべき要素を取捨選択せねばならない。

 

この縛りはメリットにもなって、

 

自分の実力ベースでプロのドラマを理解できる

 

という。

 

すごくね??

 

個人的には大発見なんだけど。

 

一般的にシナリオの写しのメリットで考えられる

脚本家特有のセリフテンポや構成の形、ト書きの流れ

そういった各作家の呼吸方法みたいな極意を単純な写しで僕は得ることが出来なかったわけだけど、

ドラマ模写なら、

 

風呂の呼吸は覚えることが出来る

 

鬼滅の刃でも日の呼吸は皆が無理だったからそれぞれの呼吸方法に派生していったと言われていて、正にそれよね。

言葉では説明しづらいし気になった人は実際にやってみて欲しいというのが本意なんだけど、

例えば僕の場合だと、

 

自分のシナリオのセリフは圧倒的に少ない

 

一番でかいと思えたのは、これに気づけたこと。

シナリオ全体におけるセリフの割合が映像をまみえて俯瞰して見ることが出来て、僕の場合はセリフがすごく少なかった。

僕のト書きの呼吸だと、プロのシナリオでは丸々一ページがセリフのシーンが頻繁にあったんだよね。

これはつまり、今まで書いていた自作はつまらんト書きのオンパレードだったということ。

さらに自分の語彙力不足から『そのト書きが低レベル』というのは猿でも容易に想像が出来た。

書かなくて良いこと、書かなければならないことというのがぼんやりと感覚として掴める。

こういうのって単純なシナリオの写しでは得られないこと。

シナリオの写しではト書きを読んでも、

この人、語彙力あるなあ(漠然)。

そんな感想しか持てなかったからね。それを成長と称して本を読んで語彙力を鍛えるという意味不明なことも試していた。

そりゃセリフの合間に気の利いたト書きを書けるのがベストなんだろうけど、低いト書きレベルならいっそ書かない方が良い。

僕の場合、セリフを丸々一ページぶつけるくらいじゃないと彼らには追いつけない。

 

 

あとはセリフのテンポや、どういったセリフが人の心を掴むか、

全体の構成や機能、

 

それを自分の実力視点で何となく掴めた。

 

ドラマ模写は「プロのシナリオ」を噛み砕いて一度自分の実力に戻せるから、すっごく良い勉強方法だったと僕は強くおすすめしたい。

数年描いてきた人間は、得られるものがバカでかいと思う。

自分の作品をいっぱい生み出した結果で築かれた自分のスタイルを、プロのドラマ視点から自分に落とし込んで俯瞰。

それが出来る。

もちろんシナリオ初学者も【一作品描いた後に】ドラマ模写をすれば同じ様な恩恵にあやかれる。

自分のレベルとプロのレベルを良い具合に比べられるし、改善点や伸ばすべきポイントも段々と分かってくるはず。

 

思い悩んでいる人はぜひやってみて欲しい。

 

プロのシナリオ密度に驚くから!!

 


 

ちなみに今は第一話が終わったところ。

始めたばかりでこれだから今はすっごくワクワクしている。

 

全話やったる!!

 

時間はどれだけ早い人でも1時間以上かかる。

だって映像で一本見るんだもの。

これは映像を二倍速で流しつつ書き起こせるようなタイピングマスターでもなければ当然の経費。

だから普通の写しより時間はかかるけど、普通の写しとは違った経験値が絶対に得られる。

ぜひお試しあれ。

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