雑記 思い出

【中2映画プロジェクト】「書けない人」から「書ける人」へ【2022】

投稿日:2021年6月14日

友情、受験、部活、初恋、片想い、恋愛、家族問題(等など)


(中2映画プロジェクトHPより抜粋)

中2ってテーマだけで込み上げてくるんですけど。

ジャンプの友情努力勝利みたいな最強感が伝わってくる。


 

つんく♂さん主宰のオンラインサロン「つんく♂エンタメ♪サロン」が企画製作する「中2映画プロジェクト」。

そのプロット募集があったので、応募してきました。

【中2ヒロインが主人公の20分前後の映画用プロットを登場人物表とログライン3行(オチまで)、あらすじを1000文字以内で送ってください】との要項。

中2ヒロインの方は僕の時は中2で止まっているから、すんなりとキャラクターと設定は思いついた。

しかしこのログライン3行とあらすじ1000文字に、ドラマを入れられるだけぶち込む。

これがすごく難しい。

正直、展開だけで1000文字なんて即書ききってしまうくらい。

でもそんな薄っぺらいプロットではまず一次落ちする。

初稿を何度か直して途中で見て貰った人には

「傑作ですね。これいけますよ。本編も楽しみですっ」

とかなりの絶賛を受け、超絶嬉しかった。

僕も「これならいけるっしょ」と思った。

でもそういう時は決まって一次落ちをぶちかます。

いつも大丈夫と思いつつ、甘えている部分はいくつも感じていた。

全力で切り詰めていない気は、ずっとしていた。

だから今回はこれでいいのかと最後まで自問、いや、自作に問いかけていた。

20分という短さに甘えていないだろうか。

心に響くドラマをしっかりと描けているだろうか。

登場人物一人一人としっかりと向き合えているだろうか。

何度も自作に話しかけ、自分にも負けず描ききった。

1000文字で語り切れなくても語れ。

1000文字じゃ足りねー伝わらねーと諦めたらそこで終わりだ。

ここで踏ん張った作品は今までの何倍も魅力的に映るはず。

 

そんな風に作品と向き合うことで、色んなことに気づくことが出来た。

まず【ログラインは3行(オチまで)】という要項を文字通りには受け取らないということ。

この「オチまで」というのは決して展開のオチではない、と僕は気づいた。

【宝くじにあたった男が最後金を全て失う話】

この物語のオチは「男は金を全て失ってしまった」ではない。

金を失った男が最後に何を思い、どう行動するのか。

それが物語のオチであり、ドラマ(映画)なのである。

書いてみるとなんて初歩的なことなのだろう、と思う。

でも意外と気づけない。

シナリオでは物語を紡ぐのではなく、人を描く。

だからログラインもあらすじも、人を描くことを徹底する。

これは決して脚本のルールではない。

こう書いた方が心に響き、魅力的に見えるのだ。

 

そしてもう一つ。

こちらは非常に大きな発見だった。さっきのが3ならこっちは100くらいの衝撃がある。

僕にはシナリオ交換を進んでお願いしている脚本家志望の方が一人いるのだが、その方はコンクールで何度も審査を通過しており、その作風も抜群に好きで、もう好きを越えて尊敬さえもしている。

ヤンシナ応募を諦めそうになった時は活を入れてもらい、今回のプロットでも丁寧なアドバイスを頂いた。

正直もう頭が上がらない。

尊敬を越えて崇拝になる日も恐らく近い。

で、

 

その人のシナリオと自分のシナリオの何が違うのか

 

それをずっと考えていた。

なぜ自分だけが通過出来ないのか。

その答えが少しだけ分かった気がする。

多分『書ける人』と『書けない人』は見ているところが違うんだ。

そのことに気がついた。

例えばヤンシナのサロガシー。

この作品はどこが評価され、大賞を受賞したのか。

この答えは両者で全く意見が異なると思う。

もし僕の考える答えがドラマの本質だとしたら、意識するだけで書けない人は飛躍的に書けるようになるのではないだろうか、と思う。

脚本家として一枚皮がむけたような気がした。

皮肉にも『受賞するまでは熱い考えを捨て【脚本家】ではなく【コンクーラー】として頑張ろう』

と意識し描き始めたことで初めて気づくことが出来た。

ちなみに書ける人は長編(60分)に強く、書けない人は短編(10~20分)に強い。

と勝手に類型している。

脚本家としてはどちらも一長一短であるが、コンクーラーとしてはやはり60分に強い方に寄せるべきだと思う。

一応書いておくが、最適解は両者の良いとこ取りだと思う。

 

で、肝心の気づきの内容だが長い文章で言語化しても、理解し納得できる人は書ける人にしかいないと思う。

だからもしシナリオに躓いている人、具体的には一次落ち常連もしくは通過しても一次審査までの人は、一人でいいので最高の脚本家志望の友人を見つけて欲しい。

二次~三次によく進む人で、かつ作風が好きな人がベスト。

で、その人の作品を何本も読んでください。

お互いに作品交換が出来れば一石二鳥です。

あなたは「書けない人」。そして相手は「書ける人」。

先ほど言った一長一短であることを考えると、お互いのために良い関係になれると僕は思っています。

そうすると何かが見えてくる決定的な瞬間が訪れるかも。

ちなみにこれは作風を真似するとか、題材がどうとか、そういう低次元なものではないので。

 

この気づきを作品と照らし併せてみると、自作の陳腐さが露呈してきた。

自分がなぜ「書けない側」なのか。それがすごく良く分かった。

 

良かった締切まで粘って

 

心の底からそう思った。

意識してプロットを書き直してみると何だか良い感じに仕上がった。

あれ。これいけるんじゃね??

珍しくちょっと期待している自分がいる。それくらいいつもと違う出来な気がした。

なんか応募後はいつもこんなこと言っている気がするな。

でも今回ばかりは気のせいではないと思いたい。

 

応募した方、お疲れさまでした!!

次はNHK創作!!!

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