雑記 思い出

雨に濡れるのもまた乙と想う、そんな雨の日。

投稿日:2018年6月14日

最近雨の日が続きますね。

台風が来てたこともあるんだろうけど、

梅雨なんかな!

調べたら梅雨入りしていました。

なので今日は雨の小話をエッセイ風に話します!気分がエッセイ!

(※風なのであくまでブログとして読んでください)

書きたい話したい!

※誤解がないように、今でもシナリオ一筋です。

 


 

雨って一般的には嫌いな人が多いと思うんですけど、僕は結構好きだったりします。

雨の独特な匂いと湿度の感じ?がたまらなく好きです。

僕の中にあるセンチメンタルな気持ちが呼び起こされるんですよね。

この匂いや感覚を堪能していると昔をよく思い出すんです。

よく思い出すのは中学生の頃の授業中のこと。

教室で退屈な授業を聞いていて、ぼんやりと雨の降っている外を見る。

頬杖を付いて濡れたグラウンドを眺めて物思いに耽るあの時間。

あの時間がたまらなく好きでした。

「はぁ、早く大人になりたいなぁ」

なんて当時はよく思っていました。

あの頃の僕が思う大人の印象は一言で、「ずるい」でした。

大人は何でも出来たし何でも買えました。

自由で、好きな人と結婚も出来て、それでいて僕ら子供に対しては一方的な主導権を持っている、理不尽で万能な神様的存在だったんです。

今大人になってみて思うとそんなことは全くないんですけどね。

だからすごく大人を妬んでいました。

好きだった子に、

「この子と今付き合ったらきっと結婚できる頃には別れてるから、結婚できるようになったら付き合おう」

なんて子供らしくない現実的なことっぽくて、実はくそ生意気な子供っぽいことを考えていた僕でしたから、

一刻も早く、「大人になりたいな」って思っていました。

でも時間は一定で進んでいて、1日はどうあがいても24時間で、大人になれない毎日がもどかしい日々。

アインシュタインの相対性理論に一人でキレていて……。

そんなことをフフッと思い出す、この瞬間が好きだったりする、

 

そんな雨の日。

 

 

雨が好きな僕だからか外に出た瞬間によく雨が降ったりするんです。

昨日だってそう。16時~外に出たらピンポイントで雨が降り始めました。

よく雨男なんて言われるけれど、ここまでくると雨と相思相愛なのかもしれません。

たまたまなんでしょう。きっとたまたま。

外に出るタイミングで雨が降るって普通は憂鬱に感じることだと思います。

でも僕の場合は、何だか雨が待っていてくれていたかのような、そんな感じがするから逆に気持ちがいいって思っちゃうんです。

いっそ雨と恋人もありかもしれません。だってこんなに好きなんだもん。

家まであとちょっとの距離だったってこともあって、せっかくなので濡れて帰ることにしました。

傘を持っていなかったし、わざわざ買うのも勿体ない。何より濡れたい気分でした。

急な雨だったからか帰り道、僕以外にも傘を持っていない下校途中の中学生が結構いました。

みんなも濡れたい気分だったんですかね?

 

濡れている中学生たちを見て、また当時がフラッシュバックされます。

制服の柄とか全然違うのに、”制服”って共通点だけで簡単に掘り起こされる前頭葉。辛いですね。

 

あの子は今、何をしているのだろうか。今日は傘、持ってきているのかな。

濡れていないだろうか。いや、そもそも鹿児島とこっちじゃ天気が違うか。

それに、濡れているのは……僕じゃん。

 

雨で髪の毛を濡らしている自分がいったい何を心配しているんでしょう。

雨で頭は十二分に冷えています。

そんなことを自然と思ってしまう。

そうか、あれからもう10年以上……。

ああ、僕にとっての雨の匂いはきっと――。

新海誠さんの「秒速5センチメートル」が好きな人は僕みたいな人なんでしょう。

不甲斐ない最後だっただけに、見事に秒速5センチメートルを踏襲しています。

鹿児島に残っていたら今と何かが変わっていたのでしょうか。

今からでも帰ったら運命は変わるのかな。

でも帰るなら、もう少し格好良い人間になって帰りたい。

そんなことを感じる、

 

そんな雨の日。

 

 

雨で思い出すエピソードはもう一つ。

上京して初めて家から駅までの道を散策していた時の話です。

上京3日後くらいでしょうか。

あの日は土砂降りの雨でした。

なんでこんな日に散策していたのかは今となっては全くの謎に包まれていますが、

はっきりと、あの日は土砂降りの雨でした。

昨日とは違って傘を差して散策をしていて、特に迷うこともなく駅前に到着したんです。

駅中に入るだけ入ってみようと駅の方へ進むと異様な光景が目に入ってきました。

20そこらの綺麗な女の人が土砂降りの雨の中、ポツンと立っていたんです。

雨で髪の毛はびしょびしょ。

服も上から下までぐっしょりと濡れていて、

ちょっと歩けば駅で屋根があるのに、

その女の人は雨に打たれながらポツンと立っていました。

周りの人たちはみんな無視をしていて、女の人はまるで地縛霊のようでした。

いますよ!そこにほら!足のある女の人!

……完全に他人事です。

上京ホヤホヤの僕は、

東京の人は冷たいんだなぁ

と思うと同時に、

これが東京では日常なんだからこういうのにも慣れないとな

とも思っていて、鹿児島にいた頃は傘を渡していたであろう自分をグッと堪えて横を通り過ぎて駅中に入っていきました。

東京では日常だと思っていたあの日の光景でしたが、

あれから一度もこんな経験はなかったです。

あの時、自分を騙さずに素直に傘を渡していたらあの子はいくらか救われたんじゃないかって今はそう思って後悔をしていたりします。

そんなことを思い出す、

 

そんな雨の日。

 


 

※ここからはいつものブログ風。

 

傘を渡せば良かったと後悔を書いてはいるものの、

悲しいことに人はそう簡単には変われないのもまた事実。

 

土砂降りの女の人と出会ってから1年後くらいかな。

外は真っ暗の22時頃。当時住んでいた3階建てのアパート。

僕の部屋は3階角部屋。

疲れて家に帰ろうとしている時、

僕の部屋の扉に寄りかかって泣いている女の子がいたんです。

当時の僕と同じくらいの年齢かな。大学生くらい。

肩をすぼめて小さくなって座り込んで泣いていて。

ああ、この日も確か雨だった気がする。

土砂降りの女の人の後悔がずっと頭の隅にあったからね。

名誉挽回、ここで格好良く元気づけてあげてこそ漢と書いて「おとこ」というもの。

廊下の距離は10メートルそこら。運が良いことに僕の部屋は角部屋。

部屋探しに特にこだわりはなかったけど、この時だけは角部屋を選んだ自分にグッジョブ。

階段を登り切って女の子に気づいた段階で廊下を2メートルは進んでいたからあと8メートル。

小幅で進めばまだ時間は稼げる。その間に作戦を練ることにした。

大丈夫、僕なら出来る。格好良い一言を浴びせて今度こそ今度こそ漢になるんだ。

今こそ不甲斐ない自分と決別する時。頑張れふろゆ。頭をフル回転させろ。

彼氏にでもフラれたのかな?それとも他のこと?部屋の鍵がないとか?もしかして傘がない?いやいや、親子の問題?それだったらあまりアドバイスしてあげられないけれど……。どっちにしても優しく声を掛けてあげた方が良いよね。良いに決まっている。

頭の中で名探偵コ○ンばりに急速に、それでいて冷静に、推理が展開される。

自室前に到着、言う言葉は決まった。

よっしゃ。言うぞ。

 

 

あ、あの、そこ僕の部屋なんで……。あ、はい、すみません。

ドアガチャ。バタン。

 

 

何度も言うが人は簡単には変われない。

顔を上げて僕をチラッとみて申し訳なさそうに小さく横に移動した女の子の顔が今でも忘れられない。

あの時、僕は一体どんな顔をしていたんだろうか。さぞ迷惑そうで、困った顔をしていたのだろう。

部屋に入って10分くらいしてから改めて言うことをまとめて扉を開けてみたら女の子はいなくなっていました。

情けない。

鹿児島から出てきて、僕は何一つ変われていない。

いや、15歳のあの時からずっと……。

あれから、名誉挽回の日は未だ来ず。

 

そんな雨の日。

 

 

面倒事には極力関わらないってのがこっち(東京)で生きていくコツみたいだけど、

こういうとこで積極的に行動できる人になりたいと思う僕はきっとこっちでの暮らしに向いていないんだろうなぁ、としみじみ。

実際はこういう場面に直面した時に全く動けない弱い人間なので不本意ながらも見事に適応できているのも、それはそれで悲しい。

 

ってか雨の日のエピソード、こうやって書いてみると格好悪い話しかなくない??

それも女の子を泣かせてばかり。雨と女の涙には相関関係があるのかもしれない。

泣かせた理由は僕のせいじゃないのもいくつかあるんだけど……。

……いや、

もう僕が全部悪いよこれは。

だって1ミリも変われていないもん。格好悪すぎる。

格好悪い自分に酔えるから雨が好きなのかな?

悲劇の主人公前線通過中です。

それも辛いねほんと。

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