雑記

【セクシー田中さん】芦原さんを苦しめたもの

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どうしてこうなったのだろう


 

ドラマ、『セクシー田中さん』の原作者、芦原妃名子さんが亡くなった。

遺書もあり、自殺らしい。

本当に残念でならない。

 

一創作者としてこの件を考えるに、

芦原妃名子さんは

『セクシー田中さん』という作品の【核】を皆に届けたかった

そういう想いがあって最終話にかけてドラマ脚本を書いた。

作品の生みの親として、それをただ伝えたかっただけなのだと僕は思っている。

Xのアカウントを開設して事の経緯をネットに書いたのは決して抗議の意思ではなく、

初めてのドラマシナリオの執筆でしたが、上手く描けていたでしょうか。

メッセージ、伝わっていますでしょうか。

セクシー田中さんはすごく素敵な作品なのですよ。

と言いたかった。

たったそれだけのことではなかったのだろうか。

ドラマ執筆に不慣れな芦原さんがなぜ突然9話、10話と脚本を描くに至ったのか。

その正当性の説明を(ドラマ、漫画、脚本家、そして自分の)ファンの方々にする責任がある。

そう生みの親ながらに思った。

そんなクリエイター、いや、人としての当然の行動が、ここまで大事になろうとは。

芦原さんの意思を履き違え、抗議の一文と捉えたネットの暴走により収拾が付かなくなってしまったことが何より残念だ。

自らのポストでネットが誹謗中傷に溢れてしまったことを目の当たりにした芦原さんの胸中は計り知れない。

作品を蔑ろにされた苦悩と、今回の炎上の引き金を引いてしまった苦悩。

これらを一緒くたにしてはいけない。どちらも芦原さんを苦しめた。

この事実を、これらの問題を、それぞれ切り離して考えることが大事に思える。

 

 

ドラマ1~8話の脚本を描いた相沢友子さん。

SNSの使い方が良くなかった。これは本当にそう。

でもだからといって、周りが誹謗中傷をしていいわけがない。

いじめをした人がいじめられても因果応報。仕方なし。

という考え方は、とても恐ろしいものだと思う。

僕が脚本を描いていて最初に学んだことは

『人は間違える生き物だということ』

完璧な人なんていない。

相沢さんは間違えてしまったと思う。攻撃をしちゃったと思う。

傷つけてしまったし、今となっては取り返しの付かないことをしてしまった。

それは事実。

だから誹謗中傷の対象になっても仕方ない。

そんなわけはない。

あなたは間違えないのですか。今まで間違えたこともないのですか。

そんな完璧な人がいるのなら、ぜひ紹介して欲しい。

ネットは正義と理想で溢れている。

それらを盾に相応にやり返されることがさも当然のように行われる誹謗中傷の嵐は、非情であり残酷だ。

この暴挙がまかり通るなら、この世に法律はいらない。裁判もいらない。

やられたことを、そのままやり返せばいい。

とても幼稚で浅はかな解決であると強く批難したい。

 

 

もし芦原さんと相沢さんが直接話すことが出来たのなら、今回の一件は起こらなかっただろう。

任された脚本を最終話目前に降ろされた相沢さんにも煮えきれない気持ちがあったことは想像に容易い。

でも、ネット越しに不満をぶつけるのは違った。

ネットに書いてスカッとするの?しないでしょ。

不満があったなら、ちゃんと戦って欲しかった。

創作のプロフェッショナル同士なのだから衝突することだってある。

それで良かった。

衝突した先にあるものが見たかった。見せて欲しかった。

ネットで騒がれている原作者と脚本家のパワーバランスとか、うんざりする。

どっちがどっちとかない。

出来ることを、得意な人がやればいい。

漫画とドラマ、畑が異なれば創作方法も違う。

お互いが尊重し合って創作活動が出来ていればなあと悔やまれる。

 

スマホの普及で皆がSNSをしている時代。

老若男女問わず『相手』と対話することを放棄する人が増えてきた。

 

どうしてこうなってしまったのか。

ただただ悲しい。

 

 

ご冥福をお祈りします。

 


 

今回誹謗中傷されている脚本家や文筆家の人たちが、

 

言葉を扱うプロなのに、言葉がどれほどの危険性を持っているのか分からなかったのですか。

 

と罵られているわけだけれども。

プロだろうが素人だろうが、言葉で人を傷つけてはいけない。

これは職業関係なく誰もが知っていること。当然。当たり前。

そこは皆、平等なんじゃねーの?って思う。

聖人君子が脚本家をやっているわけではない。

本当その辺にいる、君たちと同じような顔した人が脚本描いてたりするんだから。

脚本家だって負の感情は抱くし、間違いだって起こす。

脚本家だから~以前に、我々もただの人。

 

誹謗中傷で枕詞のように書かれていて、すっげー不愉快だった。

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