雑記

半年ぶりにコンクール作品を書きました

投稿日:2024年2月29日

半年間何してたんだって話

皆さん。お久しぶりです。

生きています。シナリオも描いています。

ですが、コンクール応募は半年ほどお休みをしていました。

今日はその話を少しと、その間何をしていたかって話を少し。


 

もう昨年になってしまった。

僕の最後のコンクール応募は2023年NHK創作テレビドラマ大賞。

このコンクールで大賞を取ったのは、竹上雄介さん。

(僕の応募史上の)コンクール応募黄金期を共に走ってきた一人。

一度も会ったことも話したこともないけども、名前は何度か拝見して、勉強会でも時折名前が出てくる。竹上さんはすごいよね。って。

ツイッター。今はエックスと呼ぶみたいだけど、そこでフォローをしてもらえて、あ。見てくれてんだ。って勝手に親近感湧いてた。嬉しく思えた。

だからこの受賞は自分の半身のように嬉しくて。

 

すげええええ!!!!

 

もう本当に、高く高く羽ばたいていって欲しい。

かくいう僕は二次通過ならずでして……。

いつも通り。

一次の通過は出来ても、その先が難しい。

反省点をあげるなら、50枚ドラマを描き切る、そんなスタミナが足りていないように思えた。

 

 

NHKのコンクールを終え、一段落。

家のこととか一通り落ち着いたところで、TBSネクストライターズチャレンジにどうしても応募がしたい。

そんなことを思っていたのが昨年の7月。

一生懸命書いてみることにした。

僕にとって続けることは全てだから。

 

……つまらない

 

僕が審査員なら五行くらい読んで横に置く。そんな出来だった。

それでも応募がしたかったから、時間を掛けることにした。

何も変わらなかった。つまらない。心が全く動かない。

ただの妄想の羅列でしかない自分の作品を見て辟易とした。

嫌な気持ちで心が真っ黒になって、書くのをやめた。

何もせずただ時間だけが過ぎて、締切が近くなったらやっぱり出したくなって、ギリギリになってまた書くことにした。

 

結局間に合わなかった

 

最低だった。

どうせ面白くない。

そんな作品を、締切に間に合わせることさえ出来なかった。

こんな僕に何が残っているのか。

っつーか端的に言えば、

 

下手だった

 

気づいた時、ショックだった。

今更気づくなよって話かもしれない。

でも気づいてしまったのがその時だった。

ドラマとは何か。掴んだようで掴めていない。持っていたのは空虚な幻想。

 

心が折れた

 

それから、コンクールの応募をやめた。

ドラマの本質が何か。それが薄っすら見えてきた。

見えているのに掴めない。見えているからこそ、掴めていないことが分かる。

自分には全然描けていない。今までもほとんど、いや、全てだ。

過去作を読み返すと『下手だなあ。面白くないなあ』と思ってしまう。

日テレや東映の募集もあったけど、一秒で諦めた。

実力が、足りていない。

どうするべきか考えた。

刺激欲しさにまず、環境を変えようと思った。

仕事、家、ライフスタイル。

様々な方法を考えた中に、一つやりたいことを見つけた。

 

学校

 

シナリオの学校。

行ってみたかった。

基礎は学んだことがあったけど、基礎だけ学んで余裕扱いて辞めた。

それから独学でずっとやってきた。

シナリオの学校の応用編まで、芯までじっくり学んでみたかった。

今こそ生まれ変わる時。

初心に戻った気持ちでシナリオスクールの門を叩く。

シナリオセンターに電話した。

基礎科に通ったことがあったから、電話一つで簡単に復学が決まった。

ってか、いきなり研修科だった。

研修科。えっ……

 

人前で発表なんて出来るのか???

 

研修科はペラ20枚のシナリオ(400字詰めで10枚)を課題に添って描き、ゼミ生の前で発表するといった内容。

ゼミ生がそれぞれ感想を言ってくれて、最後に講師の先生から講評をいただける。

まあ初心者みたいなもんだし、ボロクソ言われてくるか……。

半分覚悟、半分力を抜いて参加することにした。

初回の課題は『魅力ある男』。

 

え。めっちゃ褒めてくれる

 

読んだシナリオは、めちゃくちゃ褒めてもらえた。

自己肯定感が爆上がりした。

こんなに褒めてもらえたのいつ振りだ。いや初めてだ。

コンクール撃沈が続いていた僕のメンタルは、今にも天に昇りそうな勢いだった。

明日死ぬのかもしれねえ。まー死んでもいっか。そう思えた日もあった。

誤解ないように書くと、もちろん変なところは何度も突っ込まれている。

そこは都度、反省している。

たくさんの学びもあった。

あー、褒められるって気持ちいいな。

そう思って、僕もゼミ生の作品を褒めまくった。

褒められるのもいいけど、褒めるのもすごくいい。

気になったところは気にしない。勉強会でこれはあまり良いことでもないのかもしれないけども。

シナリオセンターの良いところは、ゼミ生の欠点を講師が全て解決してくれるとこ。

ゼミ生はゼミ生同士で殴り合わなくていい。これがシステム的に最高にクールだった。

ネットでシナセンはゼミ生同士殴り合ってるみたいな話をよく目にしていたけど、僕の入ったゼミは全然そんなことなかった。

僕が殴られ慣れてるだけかもしれないが。

 

上手になるまでは、コンクールに応募しない

 

脚本家を目指して7年間。大手のコンクールにほぼ出し続けた。

全てのコンクールに、その都度新作を何本も何本も出した。

だからこの半年間コンクールに出さないことは、すごく焦った。

でも、急いだって下手なまま。

早く上手になりたくて、シナリオセンターの課題に注力した。

これ書いてたらバレそうだけど、まあいっか。

 

ふろゆさんの作品のファンになりました!

いつも面白い作品、ありがとうございます!!

セリフと構成毎回うめーなー!!!

 

これまでゼミ生に直接言って頂けた言葉たち。僕の宝物だ。

この人たちのために面白い作品を描こう!

毎週心に刻んで課題に挑んでいる。

 

そうやって楽しく参加していると、

講師の先生から呼び出された。

何だろう。と思って行ったら、

 

シナセンの出している雑誌に君の課題載せたいからよろしくね!

 

といった相談だった。

先生。僕は明日殺されるのですか。

 

この一件がきっかけで自信を取り戻した僕はコンクール応募に復帰を決めた。

狙うはやはり、僕の原点。

 

ヤングシナリオ大賞

 

テレ朝も出来ることなら応募がしたかったが、断念した。

 

シナセンに通い始めた僕が一番良かったなっと思えたのは

 

自分の強み(スタイル)

 

を知ることが出来たこと。

初めて研修科に行った時。

『ふろゆ君の得意ジャンルは何ですか?』

と先生に聞かれて、何も返せなかった。

『得意なものなんてありません』

これが答えだったから。

シナセンに通い続けて、やっと自分のスタイルに気づけた。

数年。独りもだえ苦しんだ。

この苦しみがあったから、今更ながらも自分の良さに気づけた。

これは確信している。

ジャンルと大きく言えない強みかもしれないけども……。

 

 

テレ朝の応募を断念したのは『ラブストーリー』がテーマだったから。

これは僕の強みを活かせる土俵ではなかった。

知識として知っていることと、それを描けることは違う。

ラブとは何か。

僕は根本的に人とズレている。

ただ、ズレているから描けるものがある。

それさえもシナリオの糧だ。

 

自分に書ける世界を描いていく。

 


 

今作のヤングシナリオ大賞も、プロットを練って描いた。

プロット作りの講義を研修科で一ミリだってやっていないのに、作り方がまるっと変わった。

どうしてこんな簡単なことに今まで気づかなかったのか……みたいな初歩的な気づきもあって。

自分に足りないものは50枚のドラマを描き切るスタミナだ。

そこを意識してプロットを作る。

 

……。

 

生み出されたプロットは、今まで描いてきたものより圧倒的に文量の少ないものだった。

大丈夫か? と思ったけども、落ち込むことはなかった。

これで合ってる。そう直感で思えた。

あとは筆力が付いてくるだけだった。

 

執筆スタート。

 

……。

 

……。

 

……。

 

キャラクターが勝手に動く。

そう宣う脚本家は狂ってんじゃないか。

と、思っていた。

動く……動くぞっ!!!

まあいきなり、そこまではならないけど。笑

キャラクターがここならこうする。こう言う。こうは言わない。

自然とそれが分かる。これは経験しないと分からないかもしれない。

話もキャラクターに合わせて変わっていって、気の利いたセリフも喋ってくれて。

そんなこんなで作品を描き終えた。

 

50枚、最後までドラマを貫き通せた

 

誇張抜きに、今までで一番よく描けた。

書いてすぐ、あー。行っても一次だなー。

なんて、メンタルがぶち折れることもない。

いつも応募の度に満足しているけども、

毎年感じる根拠のない自信とはまた違った感覚だった。

 

シナセンで何を学んだか。そう問われるといまいち言葉が出てこない。

正直に話すと先生の言っていることは全て理解が出来た。

新しい知識や技術はほとんど得られていない。

独学でやってきたことの反復練習。そんな感じ。

それでも50枚ドラマが描けなかった自分がちゃんと描けるようになっている。

確実に前進していた。

シナセンすげえ。通って良かった。

 

 

成長はコンクールが教えてくれる。

シナセン卒業もまだまだ先。これからも楽しいことがいっぱいだ。

 

 

今を全力で楽しんでいきたい。

 


 

ゼミ生の人たちへ。

これを読んで『あいつふろゆじゃね?』と思っても無視してあげてください。

フラットに学校に通いたいのです。よろしくおねがいします。

そして、いつもありがとうございます!!

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