久しぶりの10分シナリオ!
最近は短編シナリオに出す機会が多い。
アクトジャム、南のシナリオ大賞、恵那峡映画祭。
どれも気軽に応募出来るコンクールに思えるけれど、短いからこそ『何を描くか』をしっかりと考える必要があったように思う。
『何を描くか』のテーマが濃過ぎるのも問題で、10枚そこらでは描ききることは難しい。
仮に詰め込めても、説明ばかりで重苦しい印象を与えてしまう。
だからテーマを薄く引き伸ばして気楽に見ることが出来るよう仕上げると、バランスの良い面白いシナリオになる気がする。
短いからと詰め込まず、余白を入れていった方がかえってうまくいくってこと。
短編シナリオは作品の深度よりも、印象だったり読後感が大事なように思える。
※僕の考え方ですが。
さて、
前回のホラープロット公募に引き続き、今日は恵那峡映画祭のことを書いていきたい。
恵那峡映画祭(テーマラブストーリーの10枚シナリオ)。
数ヶ月前にツイッターから募集が回ってきて、目をつけていたコンクールだ。
『僕の恋人は脚本で候』
と、のたまう自分が一番恋愛に飢えているんじゃないかと最近は思っているわけだけれども、そんな僕が唯一発散出来る場。
それがコンクールである(ドーーーン)
恵那峡待ってろよ、今惚れさせてやっからよ!!
そんな意気込みで描き始めた。
自分で言うのも気持ち悪いが、僕はロマンチストである。
出来ることならロマンチックな恋愛がしたい。
彼女とディズニーシーに行った閉園間近の帰り時。
中央のイルミネーションが輝く噴水を二人で座って眺めていたい。
そして、
『終わっちゃうね……』
と聞こえるか聞こえないかギリギリの声量で彼女に呟いて欲しい。
ここで『終わっちゃうな……』と呟くのが僕でも構わない。
それで言われた側は相手の手を取り、出口へ向かう客の波に逆らって走り出すのである。
……。
ここでちょっと愚痴らせて欲しい。
最近の世間に蔓延る現実(条件)主義な恋愛に、僕はうんざりとしているのだ。
打算的な恋愛の先にロマンスはあるのかよ、え?怒
この怒りから、僕は古き良き恋愛の布教者としてラブストーリーを描き続けているのである。
『その腐った性根、俺のシナリオでホックホクにしてやるよ!!!』
宣教師ふろゆ(2016~)
大阪シナセンのメロメロドラマはこの布教活動の一環で一次を通過した。
宣教師パワーで約20倍の倍率をぶち抜いたのだ。
つまり、
世の中に『ラブ』は必要
そういうことなのだと思う。
いや、そういうことなんだ。(断定)
打算的な恋愛マジでやめろ!!
ああ、なんてことだ。
恵那峡映画祭のことを書こうと思っていたのに、愚痴しか書いていない。
でも正直、これが全てだ。
ラブストーリーでは、ひたすら理想と現実のギャップを描き綴る。
そしてロマンス全振りの甘ったるい話だと妄想で終わってしまうから、現実という苦味を少しだけ隠し味に入れる。
苦味があった方が甘さは引き立つので。
それで10枚はあっという間だった。
これが受賞したらまた一つ、僕の布教活動は前進したと言えよう。
入信者、いつでもお待ちしております。
もう一つの9月末締切コンクール。
新人シナリオコンクールへの応募について話をさせて欲しい。
実は応募を断念した
理由は忙しかったから。
とかそういうわけではない。
「コンクールがあるから描かなきゃ」
という使命感に駆られている自分に気づいたからだ。
コンクールは宿題や仕事ではない。
やらなければならないわけではない。
やるかやらないかを決めるのは、『自分』である。
そりゃプロを目指すなら、一つでも多くのコンクールに出すべきだ。
最近シナリオとの向き合い方が分かってきた。
結果も例年に比べて付いてきている。
書けば書いただけ結果に反映される。
それはとても嬉しいこと。
ツイッターで言われて気づいたけども、最近は出した作品が全て一次通過をしている。
快挙だ。
この調子でどんどん書いて描いて描きまくる必要がある。
受賞経験は未だない。ここで立ち止まるべきではない。
新人シナリオに出すべきなのは自明の理。
でも、
波に乗っている今だからこそ、頭を使え
そうも思った。
根性論で突っ走って成功できるほど甘い世界ではない。
前述したように『コンクールがあるから描かなきゃ』と焦る自分が良い状態にあるとは思えなかった。
自分が描きたいものを描く
僕が今課題に思っていることだ。
この徹底のためにホラープロット(A4一枚)と、恵那峡映画祭(10枚)というあえて短い公募に力を入れる決断をとることにした。
立ち止まって自分という作家を見つめ直してみる時間を作った。
この選択が吉と出るか凶と出るか分からない。
応募してみて、ホラーも恵那峡もどちらも良いものが描けたように思える。
自信があると書くと語弊があるけども、満足はしている。
『新人シナリオというチャンスを自ら捨てた』という重石が上手いように働いた。
周りが新人シナリオを頑張っているのも良いプレッシャーだった。
思うところは色々ある。自分でもこれが正解だったか分からない。
もしかしたら新人シナリオに出した方が良かったかもしれない。
アイデアのカケラは一応あった。
でも調子の良い今だからこそ、結果が肯定してくれると信じている。
橋田賞という公募が近々あるみたいだ。
ホラーに恵那峡と燃え尽きた感は残っているが、少しだけ気になっている。