雑記

才能がないと言われていた男

投稿日:2024年5月10日

自信がついてきた


シナリオセンターの課題も大詰め。

もうあと数ヶ月で卒業。過ぎてしまうと早いもんだ。

同じクラスの仲間たちから『寂しくなるね』と言ってもらえていることがとても嬉しい。

『寂しい』と思ってもらえるくらいの関係性を築けた自分をとても誇らしく思う。

僕も寂しいよ。


 

僕は監督や役者、脚本家の名前を覚えることが苦手だ。

というより覚えようとしてこなかった。

日常生活でさえ、顔すら覚えてらんない。

この間オフ会に参加した時も二回目のはずが『はじめましてー』と言っちゃう失礼ぶりだった。

 

覚えらんないものは仕方ねーよなー

 

これも個性みたいなもんだと思っていた。それか能力不足。

けども実際は、他人にそれほど興味がなかっただけだ。

僕の行動指針の一つとして『他人は自分に興味がない』というのがある。

これは他人にそこまで深入りしないという自分自身の考え方を、そのまま相手にも当てはめているものだ。

この考え方は気が楽で何でも出来る。

裸の王様は滑稽かもしれないけど、本人が満足ならそれはそれで良くね?そんなタイプ。

寝癖にジャージで歩いている男が近所にいたら、それ僕です。

 

ただ、シナリオセンターに通っていく内に少しずつ変わってきた。

みんなすげー話しかけてくれるし、作品についても真剣に講評してくれる。

『一人の脚本家』として接してくれるし、先生もめちゃくちゃ真摯になってアドバイスをくれる。

『ふろゆさんの作品はいつもこう~~~』みたいなことを言われると、ついハッとしてしまう。

え、前回や前々回覚えてんの!? って。

そういうことが続くと、僕もみんなの作品や名前を自然と覚え始めた。

そうこうしている内に、

『何か今日の作品いいね!』

みたいなことも言えるようになった。

他人に興味を持つことって大事なんだなとアラサーまで生きてやっと学んだ。

今のクラスが本当に大好き。

ここに入れて良かったと、運が良かったとつくづく思う。

 

筆力の方はというと、これがすごく順調で。

シナセンで褒め殺しを毎回食らっているから天狗になっている節はあるのだけれども、

コンクールで受賞を目指そう

と再び思えるくらいには自分らしいものを描けるようになった。

筆力の面でも周りに本当に感謝している。

 

このコンクール界隈には色んな人がいて、過去には

『ふろゆはプロになれねーよ。才能ねーから』

と、陰で言っている人がいた。

作品読んでもらったことあったっけ??くらいの関係性の人に、だ。

しかも冗談風でなく、半分憎しみ籠もった感じで。

僕に伝わるのもどーなんかなーってのはある。

コンクールで通過した時には、

『自分が落ちたシナコンをあいつに通過されると喜べねーわ』

と言われたこともある。

これを

執筆の苦しさを知っている人が言っている

というのがあまりにも残酷だった。

すげーショック。

僕なら到底言えない。つーか思っても口に出したらアカンよね。

もっと技術的なことなら言うよ?

『この作品じゃ厳しいと思う。だからこうこうして~』とは言う。

でも頭ごなしに『無理!』は違うじゃん。

人間性の否定は違うじゃん。

心が氷河期過ぎない?

 

ブログを書いていたり、色んな勉強会、交流会に顔を出しているからか鼻につくのかもしれない。

でもさ、

 

やっぱ違くね???

 

それは間違っているよ。

そういう人はだいたいSNSでコンクール経歴を載せていて、

『結果出している人限定』で絡みに行ったりしていて……。(※傾向です)

僕はそんな風にはならないようにする。

なりたくない。

ていうかこういう人は逆に『他人に興味持ちすぎじゃね?』と思う。

脚本執筆って個人競技みたいなもので、そういう意味では他人の進捗なんかどうでもよくね?

いや、通過したこと自体はめでたいけどさ。

冷たい見方すれば『だから何?』じゃん。

それくらい他所の畑じゃん。自分の畑での戦いじゃん。

 

敵『おたくの畑のナスビ育ってますねー。でかいですねー。あちらの方の畑は腐っていましたのよ。根暗な性格しているからですかね?うふふ。ウケるーーー』

 

お前はお前の畑だけ見ときゃいいんだよボケカスオラア!!!!!!!

 

受賞者もそうでない人も、コンクール一次落ちも最終残りも、それぞれに作家性がある。同じ人は一人だっていない。

この界隈に限れば隣の一次落ち常連が受賞してプロデビューもよくある話じゃん。

そこで手のひら返しておめでとうございます?

ふざけんなまじで。

 

僕は周りに恵まれてきたと思っているし、そういう出会いに感謝しかない。

でも苦手な人たちともそれなりに何人か出会ってきた。

そういう人たちとの関わりの中で嫌な想いもそれなりにしてきたし、嫌いになった人も何人かいる。

同じように僕も知らないところで他人にそういう想いをさせてきたのかもしれない。

 

プロになる準備は出来た。

 

そう自信を持って言える今だからこそ『自分がどうなりたいか』をしっかり持っていたいと思う。

結果を出しても変わらないぞ。

変わらない変わらない変わらない。

 

ので、

 

デビュー後も仲良くして下さい。笑

 

そろそろ受賞します!!!


 

いつもブログにコメントをくれる『チャコ』さんがシナリオコンクールで受賞をした。

めちゃくちゃ嬉しい。

僕の周りで最近、受賞する人がめちゃくちゃ多い。

始めたての頃は周りはみんな鳴かず飛ばずだった。

受賞なんて夢物語で、いつプロになれるやら……というかプロになれんのか?出来レースなんじゃねーか?

と思ったりもしていた。

でも最近は知っている人ばかりが受賞している。

勉強会でお世話になった人が受賞することも多々あって。

『おおおーまじかああ!!すげええ!!!頑張ろおおお!!』ってなる。

こうやって周りが羽ばたいていくと不思議と

次は自分の番だな

と思ってしまう。めでたい性格なんすよ。

ついこの間まで一緒に頑張っていた人が受賞してんのよ?

同じくらい描いてきたんならチャンスあるくね?って思わないですか。

思わないですね。はい。

確かに知人の受賞を受けてシナリオを辞めちゃう人もいて。

何事も捉え方は人それぞれなんだろうなーとは思う。

個人的に辞めて欲しくなかったってのが本音。

僕には止めきれなかったけども。

 

次はNHK創作テレビドラマ大賞に向けて描く。

シナセンの授業後に勇気を振り絞ってクラスメイトに

『NHKのプロットを読んでください!』

と頼んだら快くオッケーしてくれて、二人で喫茶店でめちゃくちゃ盛り上がった。

我ながらコミュ強ムーヴかませた気がする。よくやった俺。

半年前じゃ考えられないね。

これもシナセンのおかげ。というか、仲間のおかげ。本当にありがとう。

 

自分が具体的にどうありたいか。

『精神的に自由でいたい』

多分そう。

周りのネガティブや意味不明なプライドに左右されない人間でありたい。

仲良くしたい人には難しいこと考えず話しかけられる。

誰かの嬉しいには嬉しいと素直に共感出来る。

そんな人になりたい。


 

僕がシナセンを受講しようと思ったきっかけは昨年のNHK創作だった。

 

60分描いたけども、下手くそ

 

それが描いた直後に分かった。

どこが悪いかは分かるのに、どう直せばいいか分からない。

結局そのまま出した。

一次通過は出来たけども、当然のように二次で落ちた。

結果は結果が出る前には知っていた。

だから記事に起こす気力もわかなかった。

『コンクールの結果を心待ちに出来る今』を持っている人は伸びしろしかないんで頭打ちになるまでは闇雲に頑張って欲しい。

んですぐにTBS連ドラのコンクール。

 

めちゃくちゃいいじゃんこのコンクール!

絶対出そう。出さなきゃ脚本家志望じゃないっしょ!!

 

っと意気込んでいたくせに、出さなかった。

下手すぎたから。

出すに値しないものを生み出した。結果は分かりきっている。

描いていて情けなくなって筆を折った。

 

これを受けてシナセンに入った。

シナセンでは新しい自分を見つけよう。そうでないと意味がない。

みんな初めましてなんだ。騙すわけではないけども、コンクール歴は隠して初心者よろしく一から頑張ろう。

そう考えて一本目から作風をガラッと変えて課題に挑み始めた。

具体的には人物重視、セリフ重視。プロットの書き方も変えた。

そういやシナセンでプロットを書いているって話したらめちゃくちゃ驚かれる。勉強会でも驚かれたな。

どんな作品でも長さでも、プロットは絶対に描いた方が良いと僕は思っている。

何を描くかってドラマにおいてすごく大事。プロットがあるだけで迷わないよ。困った時はプロット通りに描く必要ないし。

書き方は工夫が必要だと思うけど。ちなみに僕のプロットはハコっぽいとよく言われます。

 

習作の最初の数本は手探り手探りで、おぼつかない出来栄えだったように思える。

それでも感触は良くて。

3本目には『ふろゆさんの作品のファンです』と言ってくれる人も出てきた。

そしたら何か嬉しくなっちゃってさ。

以前と全然作風違うのに、こっちが本命みたいに作品を描き続けていった。

このシナセンの30回の課題での目標は、この作風を完成させること。

今はそう思い日々通っている。

今では『現在の作風が大好き』だし、これが僕の作家性だとも思っている。

前の作家性はサブウエポンにするくらいがちょうどいい。

 

このコンクール界隈にいると、自分の作風に絶対の自信がある人が多々いる。

スクールに限らず色んな人からアドバイスをもらえる界隈であるけども、そこで作風を否定されるとすげー嫌な気持ちになる。

それは分かる。そこ変えたら俺の作品じゃないんよおおお!ってなる。僕もそうだった。

でも、見てくれる人がいて初めて成り立つ世界、それが脚本の世界だ。

『独りよがりにならないためには自分の作風を疑うことも時に大事』

この言葉をコンクールで行き詰まっている人に捧げたい。

ちなみに僕の今の作風は昔の僕では考えられない、というより苦手としていたような作風だ。

それが今では大好き。

好き嫌いと向き不向きは異なるものだと思うし、こと創作に限れば苦手なもの嫌いなものでも描いてみると意外と楽しかったり向いていたりもする。

僕みたいに後からこっちの方を好きになったって構わない。プロになってから変えるのは難しいけど、今は自由なのだから。

何かを変えたいのであれば、こだわりを捨てることも一つかなーと思う。

『コンクール応募中』って仕事にもなっていないし、半端者って印象を受けるけど、その分自由だし、可能性は無限大にある。

それがプロになったら、見限られたら終わりの世界。

急ぐ必要はない。と僕は思っている。

急いでプロを目指すより、作家性を確立させて自信を持ってプロになる。

そういう進路だってある。

そう思えるようになったのも、筆力が付いた今だから。

色々迷って今に辿り着けたから。

『答え』は人それぞれにあると思う。

 

みんなの最善を進んで欲しい。


 

NHK創作テレビドラマ大賞の公開講座にこっそりエントリーしてみた。

毎年やってるよね。

今更ながら初参加。楽しみ!!

 

NHK創作終わったら打ち上げしましょう。

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