雑記

TBS NEXT WRITERS CHALLENGEに伝えたいこと

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みんなVIVANT1話見た??


 

今期のTBSめっちゃ良くないですか?

VIVANTの第1話を見まして、開いた口がしばらく閉まらなくなりました。

余韻が半端なかった。ってかクオリティがほぼ映画じゃん。

日本でこれやっちゃうんだ……って思った。

すげーよ。

 

これがTBSの本気

 

そう思った。

間違いなく今までにないドラマ。挑戦的だった。

NHKのWDRの募集要項に近いドラマだったよね。

『続きが気になるドラマ』

良い意味で海外的。

『コケたらどうするんだろ?』とか全く気にしてない。

でもその心配は杞憂。

VIVANTは間違いなく今期ドラマの覇権になる。

これ伸びなかったもう脚本家目指すのやめる。

いやあ良かった。これは脚本家志望関係なく見るべき。見逃した人はTverで見なさい。

今期のTBSドラマはトリリオンゲームも見ている。

これまためちゃくちゃ面白い。

トリリオンゲームは

『いやいやありえないでしょ』

みたいなツッコミどころが所々にあるけども、そこに適宜理由付けが行われていてうまい。

そういった引っかかりも

『創作だしな!』

と、説明一つあることで細部を無視して楽しく見続けることが出来た。

大筋が破綻しなければ良し、ツッコミどころより筋の面白さで勝負!

大味な脚本だった。

これまた斬新な作り方。

感動した。

 

日本ドラマを一歩先に進めたのはTBS

 

個人の感想になるけど、今期で強くそう思った。

TBSが日本ドラマ界をこれから牽引する。

そう思えた。

面白いのはフジの月9は原点回帰で王道恋愛ドラマを放送しているということ。

未来に進んだTBSと過去に戻ったフジテレビ。見事に真逆。笑

フジもある意味で挑戦的ではあるのだけどね。

 

さて、ここでこのTBSが9月より応募を開始する

 

TBS NEXT WRITERS CHALLENGE

 

について語りたい。

これは脚本家発掘コンクールである。

VIVANTやトリリオンゲームを見て応募に闘志を燃やした人も多くいるだろう。

ここで全員と書かないのにはワケがある。

VIVANTやトリリオンゲームとコンクールシナリオには大きな違いがあるからだ。

この違いはそのまま脚本家の畑の違いでもある。

僕らコンクーラーは

 

ドラマは葛藤、軸(筋)は感情

 

このルールを染み込ませられている。

僕には過去シナリオスクールに2校通った過去があるのだが、どちらでも同じように教わった。(卒業もした)

脚本家を志して6年。これまで色んなタイプの脚本をテレビ局の公募に応募してきた。

ルールを忠実に守ったもの、あえてズラしたもの、反骨精神で一切守らなかったもの。

割合で言うと等分。

3:3:4くらい。

結果を話すとコンクールで選考を通過出来たのはこのルールを遵守した脚本だけである。

通過率3割。

遵守したシナリオであれば一次で落ちることはほぼなかった。

ヤンシナ、NHK、テレ朝と一年間一次だけなら全勝したこともある。

2日で書いてめちゃくちゃつまんねーと思った作品でさえ通過した。

一つ通過率25%として64分の1。ゆえに運ではないと思いたい。

対して反骨魂は、応募時期問わず一次で全滅。直近では今年のヤンシナも没った

僕の周りには多く脚本家を志す仲間がいるが、このルール外で戦って結果を残した脚本家志望は誰一人いない。

それくらいこのルールは僕らの界隈では絶対である。

ので、講評会で指摘を受ける点はそこだし、改稿場所ももちろんそこ。

いの一番にドラマは葛藤、軸(筋)は感情。

作品はここから始まる。

このルールから脚本家志望は逃れることは出来ない。

 

だいたい1年ほど前かな。

シナリオオフ会でこの件に関して愚痴ったことがある。

誤解を生みたくないからその時のセリフを正確に書く。

『ヒューマンしか受賞チャンスねーんだよなー』

そう同じく脚本家を志す仲間に愚痴った。

言わずもがなヒューマンは人の感情を軸に描くに最も適したジャンルだ。

感情を描くことがヒューマンであるし、ヒューマンだから感情を描く。

相手の年齢は僕と同じくらい。執筆歴もそう変わらないかな、多分。

すると

「嫌なら小説行けばいいんじゃね?」

と言われた。

ヒューマン以外描きたいなら小説行け。あっちの方が自由だぞ。

そう一蹴されたのだ。

僕は絶句してしまった。

そうなのかもしれない。いや、実際そうなのだけど……ンーガガガッガ。

ロボットみたいになってた。何も言えねえ。

頭では分かっている。つかみんな分かってる。

僕も、彼も、その横の脚本家志望も、そのまた横の脚本家志望も、このブログの読者も全員。

それでも共感して愚痴って欲しかったってのが本音。

『仕方ねーよ。ルールだもん。プロなってからはっちゃけようぜ』

それくらい言って欲しかった。

まさか引導を渡されかけるとは。笑

何度でも言う。このルールは絶対。

界隈では浸透を超えて常識と化している。

もちろん現実問題色々ある。

新人脚本家に予算は割けない。でもヒューマンなら低予算でクオリティの担保が出来る。

とか、

脚本をしっかり学んできましたという本気度が作品を読んだだけで分かる。

とか。

『有名になりたい』や『何者かになりたい』みたいな半端な覚悟で脚本家になってもらっては困る。

選考において一役買っているとは思う。

ルールへの理解がそのまま脚本家志望の基礎で矜持とも言える。

極論、脚本家志望の『筆力』と言っていい。

葛藤や感情を軸に描けることがプロとしてのスタートライン。

今まではそうだった。

 

それをぶち壊してくれそうなんだよね。

VIVANTとトリリオンゲームが。

いや、

 

TBSが。

 

僕は、全く売れていない。

結果も出ていないし、描くシナリオもまだまだ力が足りていない。

だから売れていない事実に不平も不満もない。

でも、これだけはっきりした。

目指したい場所はTBSが挑戦している場所だということ。

評価を今受けていなくても構わない。

何年何十年経ってもTBSが目指している(勝手に決めちゃってごめんなさい)ステージに立ちたいと感じた。ここで仕事がしたいと心から思った。

脚本家志望の段階で局や仕事を選ぶのはすごく生意気なことなのかもしれないけど、それくらいTBSの姿勢に共鳴してしまった。

もちろんTBSの方針に共鳴しない人もいて。

先ほど全員が~と言ったのは、ここにある。

界隈にはルールを得意とした作家も多くいるし、そういった作品が好きなファンもいる。

僕の周りにも上手い脚本家志望の人はいっぱいいて、VIVANTやトリリオンゲームを見ても彼ら彼女らが作風を変えることは恐らくない。

それが持ち味なのだから。

僕は違うってだけ。

 

TBS NEXT WRITERS CHALLENGEで結果を残したい

 

応募する。絶対。

 

が、ここで一つ葛藤が生まれる。(ドラマの葛藤でなく)

 

どの武器でいくか

 

ということだ。

 

ドラマは葛藤、軸は感情。

この絶対のルールに則って作品を描くことは是なのか

TBSは一体どんな脚本家志望を探し求めているのか。

これが全く分からない。

例えば一次審査をシナリオスクールに外注していたとしたならば、ルールに則っていないシナリオは一次審査から弾かれる。

これは現役脚本家に頼んだとしても結果は特に変わらないだろう。

こう言っちゃ反感を買うかもしれないが、VIVANTやトリリオンゲームの第1話を応募してもこの条件なら落ちる。

この2作品は僕ら脚本家志望から見て、常軌を逸している。ルールの外にある作品だ。

長く描いている人ほど、結果を残している人ほど、そう思う。

だからVIVANTやトリリオンゲームのようなシナリオを描ける描けないの是非は置いておいても、そのようなシナリオでまず応募しない。そう数は集まらない。

これは売り込みにもなるのだが、僕ら脚本家志望はそれなりに器用ではあると思う。

コンクールのカラーに合わせてある程度作風は変えられるし、何を軸に描くか、その都度しっかり考えて適応出来る。

でも大前提として、ルールが絶対と刷り込まれている。

だからどうしても『葛藤』や『感情』を軸に添えた作品で応募することに安心感を覚える。

結果、小ぢんまりとしたヒューマン作品が多く集まる。

 

一次で落とされたくないから。

 

これを取っ払って頂きたい。

 

TBSの挑戦に期待して賭けていい

 

TBS側からどんな作家(作品を描ける人)を募集しているのか、教えて欲しい。

いや教えてください。

担当の人、

僕にだけでいいので。

応募するなら素敵な作品で応募したい。

Win-Winがいい。

時間ならいっぱいかけます。

こちらも本気でやります。

 

お願いします!!

 


 

今日の記事、色々と思うところはある。

ドラマは葛藤、軸は感情。

僕は現役でこの頂点にいる脚本家は坂元裕二さんだと勝手に思っていて。(個人の見解です)

映画『怪物』。最高に面白かった。

全てのシーンに意味があって、初見では分からない問いかけもいっぱいあって。

寝る前に考えると『あ、あのシーンはこういう意図かー』なんて応えることも出来たりして。

素敵な作品でした。

最高峰ゆえに唯一無二。

そう思える坂元裕二さんは本当に最強の脚本家なんだと思う。

坂元裕二作品は一つのエンターテイメントの公式と言っていいし、彼の作品がそのまま感情を描くこと=ドラマであることへの証明にもなっている。

異論はない。実際何度も楽しんでいる。

 

今書いたことを大前提に、昨今のコンクールで僕が感じていることを書く。

誰がーとかそういうわけではないと先に言っておく。あくまで傾向の話がしたいだけだ。

昨今のコンクールでは、

昨年受賞した脚本家が今年も書きました

と言われて納得するような受賞作が多い。

言葉を濁さず書く。

唯一無二感がない。

新人にそれを求めるのは酷なのかもしれないが、言いたいことはそういうことではない。

いつも同じような作品作風。ということだ。

当然、受賞作は上手である。

題材選びもキャラクターの魅力もセリフも、何もかもが一流だ。

僕なんかもう爪の垢を煎じて飲めと言いたくなるくらいいつも脱帽してばかり。

ルールにも則っていて、ルールを活かした最高にクールな作品しかない。

でもこういった作品がずっと、ずーーっとコンクールで続いている。

僕が読んできた作品で唯一ルール外だと思ったのは、ヤンシナ受賞作『人体パズル』。

この作品は衝撃を受けた。コンクールには珍しいホラー作品。

読んだ時には衝撃を受けた。今でも鮮明に覚えている。

が、これ1本。

脚本家に夢見始めた年を合わせて7年、コンクールウォッチャーをやってきてたった1本しかない。

ちなみに受賞作は各コンクール合わせて毎年10本近く排出されている。

もちろん作家性≒受賞数だ。

それで1本。

 

作家性、飽和していませんか??

くそ生意気なことばかり言ってしまっているけども、今日だけは大目に見て欲しい。

 

受賞=デビュー

という分かりやすいロードマップがあるがゆえに、

その最短経路である『ドラマは葛藤・軸は感情』の作家性で脚本業界がパンクしているように思える。

日本ドラマが足踏みしているのは第二の坂元裕二(敬称略)を発掘しようと躍起になっているから。

そうとさえ思えてしまう。

レジェンド(本人)いるからよくね?と思えてしまうのは僕だけ??

少なくとも僕は『怪物』を越える力を持ち合わせていないし、将来的にも厳しい。

仮にもしそこが脚本家の目指すべきゴールであるのなら、僕は今すぐに筆を折る。

何十何百年経っても無理。だって巧すぎるよ、坂元裕二さん。

それでもドラマは葛藤、軸は感情。

このやり方で受賞を目指している。

それでやるしかないんだもの。ルールなんだから。

6年間。スクールでも講評会でも、コンクールの結果でさえも、ずっとそれが正しいと言われ続けてきた。

僕の周りの上手い脚本家志望の人たちもいずれプロになって(既になった人もいて)、中には審査員という立場になる人も出てくる。

彼らが作品を評するのはどこだろうか。まず何を見るだろうか。

彼らはなぜ『上手い』と言われているのだろうか。

そう考えるとルールを守らざるを得ない。

脚本家の世界では世代を越えてこれがループしている。

 

 

こういう記事を書くのは正直迷った。

それでも

『嫌だったら小説行けば良くね?』

そんなセリフが自然と出てきてしまう今。

それが僕らの界隈で当たり前になってしまっている今だからこそ、一脚本家志望として一石投じたい。

VIVANTとトリリオンゲームを見て、その勇気を貰えた。

局側から新しい挑戦を垣間見ることが出来た。

まだ1話しか放送されていないけど、これからVIVANTは大ヒットするだろう。

トリリオンゲームもきっと伸びる。

各局には

 

脚本家発掘にも『挑戦』して欲しい

 

そう願っている。

素人考えになるけども、受賞作をチャレンジングな作品にして前例を作ることがその姿勢を伝える一番の方法だと思う。

脚本家を目指すぞーっと意気込んで恐れず処女作を応募するような人が誰より可能性がある、多分。

でも長く描いている僕らの方が絶対に上手い。

気持ちよく舵を切らせて欲しい。

 

 

こういう作家を求めている!!

 

運営サイドからバシッと僕らに伝えてください。

めっちゃ待機してるんで!!!

頑張るんで!!!!

 


 

もののついでに書く。

WDRに選ばれた人たちがみんなプロかプロに準ずる人ばかりでガッカリしたという愚痴。

当時は記事には書かなかった。

メンタルやられていたし、人によっちゃ負け惜しみにも聞こえて良くないから。

コンクールのことでメンタルがやられたのは久しぶりで、親の介護を口実にしばらくシナリオから離れた。

こちとら本気で勉強会まで開いて採用目指していたのにそりゃないよ……。

応募原稿10枚そこらの少ない枚数で、そこまでプロとアマの差は出なくね?

全員プロで固めるってそもそもプロ前提の募集だったってこと??

もちろんプロはすごい。

それでも全員はなくね?と思った。

シナリオには上振れと下振れがある。

10枚なら尚更。

実績を越えるほどのものは出なかったので~的なやつ?

応募総数○○人の中から選ばれた精鋭たちで描かれたドラマです!

後々宣伝するであろう、僕らはその○○人の数集めだったってこと?箔ってこと?

 

運営にケチ付けるな、ビジネスってことを理解しやがれ

 

いつもこう怒られる。

お客様は神様。

これの逆だよね。運営は神様。開催してくれることがありがたい。でもチャンスないんじゃ感謝も何も

 

大人になりきれないんですよねえ……。

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